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世界に誇れるオヤジたちー『時代遅れのRock’n Roll Band』緊急配信

2022-05-25
桑田佳祐 feat. 佐野元春・世良公則・Char ・野口五郎
全員66歳(1955年・56年生まれ)同級生
桑田さんが、まず世良さんに呼びかけ全員に手紙を書き協調し短期間で発表

イントロ立ち上がりでいつか聞いたギターの音色が響く、そうだ!Charさんの音だと思い既に痺れた。Aメロで桑田さんが歌い出し、世良さんがバトンをもらう。朝の連続テレビ小説「カム・カム・エブリバディ」でBARの主人役を演じていた世良さんが、ドラマ内でも進駐軍のクリスマスパーティーで歌う場面があったが、ツイスト時代の太く芯のある声は健在だ。さらには佐野元春さんの80年代ヒット曲「SOMEDAY」を彷彿とさせる歌詞もあり、まさに「あの日」がこの胸に蘇るような仕掛けもある。そして、僕らにとっては「新御三家」の一人であった野口五郎さん、今も特徴ある歌い方であの「私鉄沿線」で聞かせた間が生きている。66歳同級生のオヤジたち、僕らが80年代に憧れたミュージシャン世代、桑田佳祐作詞・作曲 feat.つまり4人が歌唱とギターで参加して、ほぼ1ヶ月で配信に漕ぎ着けたのだと云う。5月23日0時配信、まさにロシアによるウクライナへの侵攻から3ヶ月を前に、世界に発信したいオヤジミュージシャンたちの誇りである。

担当科目「日本の恋歌ー和歌短歌と歌謡曲」の第6回目は、「『百人一首』の待つ恋 feat.平和への祈り」とこの緊急配信の意志に呼応した。自著で取り上げた『百人一首』の歌は、いずれも長い夜をひとり待つ恋の心が述べられている。恋する人を「身もこがれつつ」待てる、ということそのものが「平和」であるということだ。待てど引き裂かれる恋人や家族らの悲惨、強引な強欲がひとりの市民の恋や愛を奪うという許されない惨状。「平安時代人」は、やはり社会が平和であったからこそ多様な「文学」が花開いたわけである。言葉や芸術を信じてこそ、人間の生きる価値がある。あまりにも過剰な科学的な進歩が、人類・地球を危機に曝している。親愛なる「人の心」を考える人文学の圧迫された退行は、そんな暗い未来への予兆だ。「この頃『平和』という文字が 朧げに霞んで見えるんだ 意味さえ虚ろに響く」と始まるこの曲の奥行きには、そんな音楽・芸術への矜持が覗き見える。「子どもの命を全力で 大人が守ること それが自由という名の誇りさ」の歌詞こそ、今全世界が考えねばならない思いが深く込められている。

この楽曲の収益の一部は「セーブ・チルドレン」へ寄付される
講義課題は「待つ恋」と「平和」をテーマにした創作歌詞
受講する学生たちとの90分間が、平和のための小さな渦になりますように。


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