「禍福は糾える縄の如し」明日の晴れを信じてる
2022-05-12
「ものごとてぇものは、うれしい前にはきまって心配ごとや悲しいことがあるんです。」(古今亭志ん生の言葉から)
(真山知幸氏「今日1日を楽しむための名言マガジン」より)
誰しもが「幸福」でありたいと願っている。だが本日の標題のように禍(災禍)と福(幸福)は、縄を縒り合わせたように表裏をなすものと諺にある。親友のライター真山氏のメルマガに、落語の名人たる古今亭志ん生の言葉があった。「うれしい前」には「きまって」というところが肝心で、裏を返せば「心配ごとや悲しいこと」がなければ「うれしい」こともやって来ないとも読める。2年間が経過し今後も長引くコロナ禍、さらにはロシアのウクライナ侵攻で世界情勢は悪化の一途である。世界レベルで「幸福」には程遠く、「災禍」の足音ばかりに追われてしまう世の中である。それでもなお「この時代に生まれて」という言い方があるが、歴史的な知見を考え合わせれば、自らを「幸福」と思うべきなのかもしれない。知識は無理矢理に詰め込んでも意味を成さないが、今の自分を当事者意識を持って測るために活用してこそ意味をなす。同じ理屈で多くの「文学」を読むということは多くの禍福を知ることでもあり、現在の自分の位置を相対的に判断する糧となるものだ。
TVの報道番組において適切なコメントを個人的に支持していた、慶應大学教授の中山俊宏氏の訃報を聞いた。くも膜下出血により55歳という若さ、長身で見た目もダンディな方、この世界情勢下で今後も多くの的確な分析を進めてもらいたかった研究者としてあまりにも惜しまれる。くも膜下は突然に襲う病いであり急な激しい頭痛に見舞われると聞くが、我慢や忍耐をせずにすぐに医師の診断を受ける必要性を痛感する。他にも芸能界での複数の訃報に接し、あまりにもという感情を抱く事態が少なくない。何事もまずは心身の健全さを失わずに、「今日」を生きることが肝要であろう。こちらはWeb上で偶然に出会った記事だが、「人間関係を壊す4毒」は「批判・侮辱・自己弁護・逃避」であると云う。なるべくならこうした状況が身の回りにあるならば、極力避けるべきとのことである。「批判・侮辱」などを攻撃的にする人物は、結局は自らに災禍が返ってくるはずだ。他国を「批判」しつつ正当性を強調する独裁が、結局は自らの国の世界的立場を危うくする事態を僕たちは目の当たりにしている。「現状」を「禍」と見るか?「福」と見るか?二者択一的に分断して思考することなく、常に「糾える縄の如し」と考えねばならないだろう。
梅雨の走りとも云う南九州
だが明日の晴れを信じる希望を失わないことだ
日常の生き方があらゆる災禍をどちらの方向にも導くのであろう。
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