焼き鳥屋という幸福
2022-04-29
串に刺さったうま味幼少の頃から実家の近くにあった焼き鳥屋
父母と食をともにする幸福
この2年間ほど、すっかり「おうちごはん」が主となり「外食」という機会が減った。それはそれで安心できる食材を選びメニュー内容にも考慮し味付けも控えめで、健康的な食事をすることができている。俵万智さんが今月の宮崎日日新聞連載「海のあお通信」に書いていたが、息子さんが大学進学で東京でのひとり暮らしをする準備に同行し、東京で食材を買ってみるとあらためて宮崎の野菜の質の高さを再認識したという趣旨の内容であった。これにはまったく同感で、東京で買う食材は高いだけでまったく新鮮味がない。場合によると半額程度で、鮮度は5倍も高い野菜を宮崎では普通のスーパーで手に入れることができる。これは肉も同様で「4割引」ぐらいは当たり前、その元値も東京よりはかなり安いので牛豚鶏どれをとってもやはり畜産王国宮崎を実感する値段と質感である。この食生活ひとつを考えてみても、なかなか東京で恒常的な生活をすることは既に不可能とさえ思えてくる。餃子消費量日本一を含めて、僕が宮崎を愛する理由の一つは、この食の豊かさであるのは間違いない。
連休前夜、ゼミは最終コマ。特に4年生が連休明けに「卒論題目」を教務まで提出しなければならないというので、時間枠を延長してでも全員参加型の議論を展開した。3年生も的確な意見を述べる者ばかりで、こうしてお互いが学び合う姿勢は大変に貴重だと考えている。17時開始で19時過ぎまで、概ね4年生の卒論研究とその題目の目処がついた。本来なら義母が誕生日だというので妻とともに義実家に行きたいところであったが、行く時間が遅くなるということで家に留まることにした。そこでコロナもあって外食を控えていた父母を誘い、近所の焼き鳥屋に出向いた。さすがに連休前で席が埋まっている様子、しばらく店外で待って他の客とは隔てられた望むべき席に案内された。居住する学園街はこうした店が貴重で、コロナ渦中は客が少なく無くなってしまったらどうしようとも考えたこともあった。焼き鳥屋といえば、幼少の頃から実家の近くに個人経営の美味い店があって、大人になるまでよく親戚や知人なども伴って利用していた。締めの醤油味鶏炒飯が絶品で、今でも食べたいぐらいの味だった。こうして父母と食事ができることが何にも代え難く幸福であり、そんな僕自身の人生史を振り返る思いにさせられた。思いの外、父も母も食欲旺盛で、焼き鳥類も餃子も目光も釜飯もすっかり平らげてしまった。思い返せば、僕も幼少の頃に外食に行くのが大きな楽しみだった。ささやかな近所の焼き鳥屋であるが、こんな父母との時間をあらためて大切にすべきと思う貴重な連休前夜であった。
美味いものを食べてこそ健康
いつになっても変わらぬ我が家の方針
いつになく豊かな気持ちで連休が迎えられそうだ。
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