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26個の新しい目ー宮崎大学短歌会新歓歌会:題詠「目」

2022-04-27
新歓祭と講義受講者などから13名の新人
やはり対面効果があるのだろうか?
いずれにしても多様で楽しい対面歌会が戻ってきた!

この2年間ほど宮崎大学短歌会への新入会員が少なく、いささかの危機感を抱いていた。歌会のメンバーも固着しオンライン上での「内輪話」感が顕れ、詠草の歌そのものも新鮮味を失って来ていたことが否めない。もちろん、オンラインを駆使して2年間もほとんど月例2回の歌会を継続してきたことは大変に貴重なことと高く評価もしたい。だがやはり「サークル(会)」というのは、文字通り循環し新陳代謝があってこそ細胞が進化するものと思う。今年は大学自治会主催の「新歓祭」が2年ぶりにキャンパスで開催され、その短歌会ブースにいて4、5人の学生が勧誘に乗ってくれたのだと聞く。それに加えて、僕の基礎教育(全学部対象)講義の受講者で文芸創作に興味がありそうな学生が講義後に話しに来たのですかさず「短歌会」の存在を紹介したら、同じ講義を取っている他2名とともに入会に興味を示してくれた。さらには1年生の支援教員になっていることから「大学教育入門セミナー」を担当しているが、その講義でも「楽しみは」で始まる短歌づくりで自己紹介を行うと、やはり高校時代に文芸部だった学生が話しに来るということもあった。詰めとしてはゼミの新入3年生にどんな分野の研究をやろうとも「短歌のよみ」は大切であるという趣旨で、先輩である大学院生が勧誘をしてくれて4名が詠草に歌を連ねてくれた。また市内のあるお店でバイトをしている他大学の学生とうちの学生たちが知り合いとなり、短歌に興味がありそうなので声をかけて参加してくれるようになったという他大学との交流も実現した。この一連の勧誘事情は、やはり対面が復活したからと言えるのであろうか?

新歓歌会の題詠は「目」、タイトルに記したように「26個の新しい目」が歌会に参加してくれた。附属図書館の一室は収容定員ギリギリぐらいになりながら、やむを得ず湿度のある空気を窓全開で取り込みながら、まさに熱気のある雰囲気で歌会が開始された。出詠17首、何より附属図書館での対面開催となると、21時閉館までに図書館を出なければならない。歌会の評をどれだけ効率的かつ奥深くできるかも大きな課題となった。「視力」「魚の目玉」「目尻のシワ」「春眠」「目玉焼き」「目から鱗」などが特徴的な素材だったが、概ね通常の「目」が詠まれて、「科目」「五目」などの漢語的な組み合わせを詠む歌はなかったのも特徴であった。新人の一人から「題から考えを拡げて詠まれる場合と、むしろ広く詠みたいことから題に焦点化していく双方の歌がある」という発言も出てきて、なかなか逞しさも覚える展開となった。対面となってもマスクの上に見える「目」が顔を覚える大きな要素になっている世の中、コロナ禍の特殊事情を歌の素材にすることももはや少なくなってきた。オンライン画面にあらず、新たな「生きた目」に出逢えた貴重な歌会となった。

「画面に友はいても一人」から
「見渡せど見渡せど友の目ん玉」へ
学生たちの新歓祭を始めとする勧誘への情熱を讃えたい。


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