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ハイブリッド学会の新しい参加方式

2022-04-24
京都に対面会場を設置しオンライン参加も可能
休憩時間には発表者や関係の方々でブレイクアウトルームを
そして自宅書斎からは複数の「学会梯子」も

西部例会委員を務める和漢比較文学会の例会が、ハイブリッド方式で開催された。会に先立って行われた理事会ももちろん「ハイブリッド」、用語に馴染みのない方のために注釈をしておくと、対面会場を設けつつその会場の映像を配信しながらオンライン上でも参加できる方式のことを指す。僕のような地方在住者にとっては今回も京都まで出向かなくとも自宅書斎で参加することができるもので、コロナ禍による怪我の功名ともいえる方式である。例会委員を務めているため、この方式に到るまでにメール会議を幾度も積み重ねてきた経緯もある。まずは会場予約から機材設置までの煩雑な仕事をこなしていただいた京都の先生方には深く御礼を申し上げたい。予想外に対面会場での参加者が少ない状況が報告されたが、学生たちの講義同様に選択できるとなると自宅でのオンラインを採る方が少なくないということか。僕は委員としての責務もあり、オンライン参加ながら通信や音声に支障がないか、画面共有資料は問題ないか、という点をホストPCがある京都会場へチャット書き込み機能を使用して伝えるという役目を担っていた。

理事会・例会いずれも順調に会は進行した。2本目のご発表は和歌関係であったので、質問もさせていただいたが、こうした機会に臨むことで自らの研究への意欲がまた高まるものである。今回のハイブリッド開催で工夫されたのは、休憩時間に「ブレイクアウトルーム」を設置したことだ。再び用語の注釈をするならば、オンラインで話せる画面を分割して個室を設定しそこに入ってきた人だけによる会話ができる機能のことである。講義でも学生たちを分割して班別で対話活動をする方式として僕もよく利用していた。前半2本の研究発表の後に発表者・司会者ごとにこのブレイクアウトルームが設けられたので、質問をした方の部屋に入室した。すると発表者の指導教授も入室しており、質問したことに御礼を仰っていただいた。対面のみだった頃の学会ではこの休憩時間に質問の先を語り合うことが大切だと思っていたが、この意味で今回の試みは長けたものであった。休憩時間以降に3本目のご発表、僕個人としては早稲田大学国語教育学会で「和歌創作」に関する実践発表があるのが気になり、2台目としてノートPCを研究室から持つ帰っていたのでそちらも起動してもう一つのオンラインにも参加した。オンラインであれば、このように「学会の梯子」もできるものかと、我ながらその利点を存分に享受した気持ちになった。もちろん2台目の参加においても質問をさせてもらい、若手の院卒現職教員の先生方との交流ができたことに喜びを覚えた。

今後は学会の全面対面がどのようになって行くものか?
ハイブリッドによって出張費も時間利用も効率的に
されどやはり懇親会のない学会はあくまで物足りないと思う向きも多いであろう。


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