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経験なくして成長なしー活動してこその学び

2022-04-09
机上だけで考えていては
教員は現場で活動してこそ力を発揮する
理論だけのゼミ活動にならぬように

僕が大学に入学した際に迷ったのは、志として持っていた日本文学研究とどれほど両立して活動をするかということだ。高校では器械体操部、中学校では野球部と必ず部活動と勉学を両立してきた自負があった。大学でも神宮球場六大学野球で花形リーダーが活躍する応援部とか、体育会部活動まで行かないまでも野球サークルとか、トランポリン同好会を見学にも行ったこともある。どこか運動部の空気が、恋しく感じられたのである。しかし大学に入学したのはあくまで「日本文学研究」をするためと思い直し、運動部との両立は難しいと判断した。そこで出会ったのが「書道会」、大学公認サークルで文学の学びに即した文化的な活動になり、学校種はともかく教員になるには字が上手くなるべきと実利も考えた結果だった。書道そのものはもとより、会の運営や東京学生書道連盟で10大学において友人ができた。併せて、3年生からは日本文学専修の学生研究班代表にもなり、学生主催の合宿とか謝恩会の運営などにも携わり専修の先生方と親しくなることができた。この二つの活動経験から、僕は多くを学びその時はどのように将来役立つかなど考えられなかったが、その後の人生の随所でこの経験が大変に貴重なものだったと振り返ることができる。

この日は、新しく研究室ゼミに入る3年生の面談があった。ゼミを決める1月にもオンラインで個々の面談を実施して「やりたいテーマ」については話をしている。さらに僕のゼミで何をどう学びたいのか?そんな点を6名の学生らと個々に語り合った。一貫して学生らに求めたのは、机上のゼミで終わらすことなく「ゼミを基盤にした活動」をせよということである。「国語」の学び、さらには「教員」としての学びにおいて「経験なくして成長はなし」というのが、僕の実感である。大学近隣の小学校へ絵本読み語りボランティアに通い続けた学生、県立劇場と共催した公開群読劇キャストやスタッフで頑張った学生、短歌会活動とともに市内の歌会にも参加し作歌を頑張り続けた学生、過去の卒業生でもこんな活動をしてきたことで現在は逞しく教育現場で活躍している。「教員」はもちろん教材に向き合う「授業づくり」が重要な仕事であるが、それ以前に児童生徒に向き合う人間的な度量が前提になるように思う。日常の些細な場面で相手の心がわかること、当然のことのようだが昨今はこれができない人が学生に限らず少なくない。社会で異分野の人たちと接することで、摩擦もあれどそこから学ぶことは大きい。話は僕自身に戻るが、大学学部卒業後はまさに「活動」的に生きたいという思いが募り、中高現場の教員としてのめり込んだ。道としては迂遠したのだが、自らの人生を見据えて研究の世界に戻った。ゆえに現在も研究のみならず、地域の方々と短歌を始め演劇や諸活動に向き合う姿勢を貫いているわけである。

「活動あって学びなし」というアクティブラーニングを揶揄する言葉
だが「活動なくして成長なし」というのが人生の学びではないだろうか
新3年生のマスク上の12個の希望に満ちた眼玉が僕の脳裏に焼き付いた。


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