あの頃の放任主義を思い出しつつ
2022-04-07
入学式後にも続く孤独感など懇切丁寧に説明などまったくなかった僕の学生時代
常時が大学祭のようなキャンパスの賑わいを思い出しつつ
新入生オリエンテーションも2日目。前日に小学校免許を主とする学生らが「希望専攻」を第3希望まで記しており、この日に各講座の受け入れ可能人数によって調整が為され講座専攻に来る学生の人数が決まるという仕組みである。この「受け入れ可能人数」というのが、何とも国立大学法人としての大きな特長のようにも思う。当方「国語教育講座」の場合は総計で15名、これを5名の教員で担当することになる。単純計算で1人あたり「3名」ということになり、綿密で懇切丁寧な指導が可能となる。卒論に取り組む段階を考えてみれば、途中の指導段階から提出されて評価するまでの過程で大変に細かいところまで目が行き届く。またこうした研究面ばかりではなく、進路や学生生活の上でも家庭的に話を聞くことができる。これは僕が大学受験をした頃から同じで、当時はさらに入試段階から「国語8名」など専攻ごとの定員が示されていたように思う。何でこんなに少ない募集人数なのだろう?と思ったが、きめ細かな指導には欠かせない条件である。同時に各都道府県1校しかない国立教員養成系では、当該自治体の教員採用人数を勘案した定員になっていたというわけである。志が定まった学生に確実に当該県(出身県の場合が多い)の教員になる繊細で親身な指導が求められるというわけである。
現在の所属大学の1学年入学者数は約1200人から1300人、僕が学生時代の母校の1学部程度の規模である。母校は1学年全学部で1万人以上、入試の際も入学式・卒業式などでも大学祭のようでキャンパスを移動するにも人混みで一苦労ということが多かった。卒論に関しては、日本文学専攻で「近現代文学」の研究室などは「20名以上」といいのがザラで、僕など「古典」の研究室で5名から10名以内であったと記憶する。入学式後も細かにオリエンテーションで説明された記憶はなく、健康診断で並んでいた際にたまたま見た掲示板で「1年次から教職科目(教員免許を取得する科目)」が履修できることを知り、教育学部まで手続きに出向いた。「担任」と称する先生は「語学クラス(英語)」の先生で、週1回の講義以外ではほとんど会うことさえもなかった。ともかく「自分の単位や行動は自分で責任を持つ」ことが意識され、しばらくは居場所なき大海をさまようような日々であったと記憶する。ある意味でこの経験から自力で「居場所探し」もできたし、見知らぬ人と繋がる術も身につけることができた。高校2年生ぐらいまで国立志望だった僕が、今や教員として国立で指導する立場。人生には多様な経験があってこそ、豊かにものを考えることができるようである。
1年生15名の眼差し
希望と夢を抱きここから未来へ
再び県内感染状況が過去最多を記録するが、協力して豊かな学びを始めよう!
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