教え子を鑑(かがみ)に忘られぬ日々よ
2022-04-03
学部卒の頃の青くさくも夢のある不安どうしたらモテるかなどと服を買ったり
学生らとの「恋話(こいばな)」をすることの意味
昨年度まで丸3年間かけて進化させてきた基礎教育科目「日本の恋歌ー和歌短歌と歌謡曲」、今年度も学生らとの展開が楽しみである。楽しみの一つは、ドラマ的虚構や創作短歌の課題の上で学生らが「恋愛観」を表現してくることだ。それを読む際には、どうしても自分自身や友人の大学時代の具体的な恋愛を思い出す機会が多くなる。「もしあの時・・・」などという仕方のない妄想をすることも少なくない。また大学入学後に初めて好きになった人が、妻に似ているなど「妄想」とはいえ、回顧的に発見をすることもあったり一定の効果があるようにも思う。もはや「恋歌(恋を詠んだ短歌や歌謡曲・J-pop)」はライフワークとして様々に批評していきたいと考えている。和歌短歌の根源が「恋の思いを表出すること」であったこともあり、現代短歌でも『サラダ記念日』を見ればわかるように「恋」は不可欠な素材である。会員となる短歌誌の月詠でも卒業生の歌を読むと表現上の虚構性は差し引くとして、恋の動向がわかることがある。ゼミでもコロナ以前はよく呑み会を開き、学生らの「恋バナ」を聞くという家庭的な雰囲気を作ることができていた。
学生時代の僕の母校では、よく「課外取得単位」が必要だと戯れに言っていた。「課外」の科目内容はもちろん「愛酒」と「恋愛」である。この二つの科目は微妙に連携していて、「愛酒」は恋の進展の場でもあり、恋の苦悩を披瀝して自分を支える場でもある。もちろん「恋愛」以外でも酒の場で話すことから学ぶことは少なくない。指導教授の研究室には見えない書棚にウイスキーと茶碗などの酒道具が置いてあり、夕方5時ぐらいになると「もういいでしょう」と酒盛りをしながら議論が続いた。その後も高田馬場の街に出て「酒語り」の夜から、先生のみならず先輩から人生の多くを学んだ。当時は酒量もかなりもものだったと記憶するが、量はともかく「語り合う」機会がないと学生が育たないのは今も同じであるように思う。新型コロナは、こうした「課外単位」の時間を尽く奪ったといってもよいだろう。「感染」においても、何も酒ばかりが悪いわけではないことが次第に明らかになってきた。対策をしつついかに語り合うか?オンラインに逃げればよいだけではない、新たな3年目を始めよう。
新しい服で新しい気持ちになるように
ゼミ在学生・卒業生らと語り合い自らが若さを保つ効用も
育てた苗の成長を見る楽しみ!
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