卒業式に思うのはいつもーハイブリッド卒業式
2022-03-25
4年間のあり方が集約して表れる数時間3年ぶりのシーガイアコンベンションセンターでの挙式
卒業生・教職員のみの入場として
宮崎が誇る国際会議もできるシーガイアコンベンションセンター、此処を会場として卒業式・入学式が挙行されるのが恒例であった。かなり大規模な会場であるが、例年は保護者に加え兄弟や祖父母の姿も多く見られ、式典会場は座席がないほど盛況な式典となるのが常だった。しかしここ2年間は新型コロナ感染拡大により大規模な式典は中止を余儀なくされ、学部講義棟教室での手作り感ある卒業式を挙行していた。2年前は直前1ヶ月ほどの間にあれよあれよと感染拡大が社会を覆いはじめ、学部教務担当の責任者であった僕は代替な式のあり方を検討することに唐突に追われたのである。コースごとに教室を分散し時間差により1会場30分以内の開催、未だ新型コロナの実態もよく判らないうちにしては、よくぞ的確な判断ができたものかと他の先生や職員の方々の尽力に今更ながら頭が下がる思いだ。「非常時こそ結束する」そんな手作り感ある卒業式に、卒業する学生らも応えて納得して卒業したようであった。日常の教室に袴など晴れ着姿の学生たちは大変に目映い。ある意味で学部の歴史に刻まれた2年間で、僕個人としては感慨が深い記憶となった。
大学の卒業式に保護者が伴うか否か?前の晩に妻といささかの話題になった。同線上の話題で言えば大学入試に保護者が付き添うか?かなり以前から就職試験に保護者が同伴する、という社会現象が高校教員の間で話題になったことがある。大学は保護者会さえ開催し式典は座席数を十分に確保し、入試では保護者控室の容積を次第に増やしてきたのがここ30年間の流れとも言えるだろう。だがその流れが新型コロナの唐突な出現で、明らかに断たれたといってよい。昨日もコンベンションセンター会場入口で検温・手指消毒、さらには健康チェックシートの記入(健康状態や連絡先・当該センターの規制方法であるようにも思う)が義務づけられた。僕は混雑を避けるため早々に会場駐車場に到着したが、そこには保護者の姿があった。式典の様子は動画配信がなされたのでスマホ等でも視聴することは可能で、ある意味で「ハイブリッド講義」の手法で卒業式が挙行されたことになる。宮崎の場合は会場の立地場所からして公共交通機関での往来は制約されるため、晴れ着姿で自ら運転して会場の来ることも難しい場合も少なくない。自立した生活を大学周辺でしてきた学生らも多く、卒業式ぐらいは参列したくなるのも人情である。だが現状でこの会場で開催するには、こうした規制をやむなしとするしかない感染状況であるジレンマが付き纏った。予想以上に教員で出席する人も少なく、ゼミ生に聞くと大学キャンパスに戻る学生らも少なくなかったらしい。僕が長年、中高教員をしてきたからであろうか?この日の式典のあり方には、やはりいつも考えさせられるものがあるのである。
卒業生の旅立ちの笑顔
ゼミ生らとは新型コロナに翻弄される活動の2年間であった
人々が集まる様々な機会を再考せよとウイルスは言っているのだろうか?
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