平穏な海に祈り平和への発信を続けること
2022-02-28
この部屋にミサイルが飛んで来たら宮崎の海は平穏でその先で軍事侵攻が起きていることを想像する
ロシアのウクライナへの侵攻に断固抗議の発信を続けたい
いま私たちの居る部屋にミサイルが飛んで来て壁を突き破り、家もそして自分自身の存在が侵されたらどう思うだろう?ロシアによるウクライナ侵攻のメディアによる報道を見て、そんな想像をした。自分自身のみならず妻や親などの愛する存在が、日常の平和な生活を脅かされる。報道の映像による涙ながらに語る子どもの様子を観て、いま世界がこの蛮行に徹底的な抗議を発信し続けるべきであると思う。その一方で歴史を深く認識し「なぜ?こんな侵攻が起きるのか」を考えることも必要だろう。昨日の小欄には僕自身の旧ソ連におけるモスクワ体験を綴ったが、米国の傘下にあり冷戦時の西側贔屓が未だ根強い凝り固まった思考から、ある程度のニュートラルな思考への転換も必要ではないかと思うこともある。冷戦時のことは小学校でも勉強したが西側NATO(北大西洋条約機構)と東側ワルシャワ条約機構が欧州を二分していた。だが旧ソ連が1991年に崩壊するとワルシャワ条約機構は事実上の解体、その流れでNATOも解体すると旧東側である特にロシアは思っていたようだ。だがNATOはそのまま維持されるばかりか、旧東側の国々の加盟が相次ぎ現在に至る。今回の侵攻の根を考えるに、この30年前からの歴史を抜きには考えらえない。
あくまで、軍事侵攻を断行する指導者への批判はすべきではある。だが米国を中心とする勢力の恣意的で偏向的な長期の姿勢についても、同盟関係の強い国の市民として問題視をすべきである。またさらに注意しなければならないのは、軍事侵攻を目の当たりにしたからといって、自国も危ういと煽られることで、世界に軍拡の流れが生じることだ。報道を目にする度ごとに、ウクライナ侵攻が対話で1日も早く終結を迎えて欲しいと願う。そのための国連と考えたくなるが、常任理事国の拒否権が発動されるというのは、明らかに第二次世界大戦の戦勝国が偏った力を持った場であることも忘れてはならない。あの冷戦の時代からはだいぶ未来になった印象を持っているが、30年そして77年の歴史の亡霊は今もなお世界の均衡や平和に暗澹たる影響を及ぼしている。精神を落ち着けたい日曜日の昼下がり、妻と近くの海岸に出向いた。人影も少ない海岸でサンドイッチを食べながら、海の向こうで起きている暴挙に思いを馳せあらためて「平和」を祈った。僕たちは、あまりにも平和な場所に生きている。だがその平和が長い歴史の中で、多くの犠牲になった人々の力で成り立っていることも思うべきだろう。煽られて体験なき戦意を昂進させることを慎重に拒みながら、僕たち一人ひとりが「平和」を作っているのだというあくまで理性的で思慮深い思いを抱きつつ、こうして抗議の発信を続けていきたい。
自然の山にも海にも「戦争」はない
「蛮行」と呼ぶのはあまりにも前近代的な思考だから
いまこの部屋で、という想像をしつつ冷静に世界を見つめていきたい。
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