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リーディング劇「牧水と恋」公演一人ひとりの力を紡いで

2022-02-20
お客様席からどう見えるか?
照明さん・音響さんたちの繊細な心配り
そしてみんなで声を紡ぎ脚本は現実の芝居となる

リーディング劇「牧水と恋ーうら恋しさやかに恋とならぬまに」は、いよいよ本日公演となった。思えば昨年6月、今回の脚本を手がける藤崎正二さんが公募脚本賞を受賞しその舞台を観覧に行った縁がこの日につながる契機となった。藤崎さんは高校教員であるが、詩人でもあり定期的に市内で自由な朗読会も主催する文芸家である。かねてから朗読も研究分野であった僕は、この朗読会が立ち上がった頃、市内のカフェまで出向き参加していた。ここ数年は仕事が忙しいせいもあってなかなか朗読会に参加できていなかったが、むしろ高校国語教育研究会でお会いする機会もあった。藤崎さんが指導する文芸部の生徒たちは、牧水短歌甲子園で優勝の経験もあり「国文祭・芸文祭みやざき2020」でも大いに活躍した。世間には所謂受験対策のみに囚われ躍起になる教員が多い中で、まさに文芸を基盤に据えた心豊かな高校教育実践者である。「短歌と演劇」この両者をつなぐ糸は「声」である。確かそんな話を藤崎さんに投げ掛け、このリーディング劇を創る動きが芽吹いたわけである。

これまた僕が宮崎に移住した頃から、地元局のアナウンサーの方々との交流もあった。その一人が前田晶子さん。宮崎で和歌文学会を主催した2017年の際には、公開シンポジウム宣伝のために彼女がDJを務める30分のラジオ番組に出演させていただいたこともある。機会あるごとに「語り」の公演にも伺っていた。今回も藤崎さんをかなめとして劇団も主宰する前田さんと僕がつながり、急激な化学反応が生じたことで、さらに多くの人々の力が集結される結果となった。年代層も豊富な役者陣の人々、稽古時点から鋭い指摘を提供し会場作りにも尽力いただいた演出助手の方、絶妙なタイミングで効果的な音楽を提供する音響さん、さらに劇そのものの雰囲気を大きく左右する照明さん。公演前日にあたり、小屋入り会場設定から場当たり、そしてゲネ(直前通しリハーサル)に至るまで、この人々の力が集結して実に濃密な時間と空間を共有できた。何より今回の脚本のモチーフが牧水の短歌であることは、僕にとってもたまらない機会である。出番を待ちながら他の役者さんの台詞を聞き、思わず涙ぐんでしまうほどの濃密な劇に仕上がってきた。2回公演である本日、11時の部は満員札止め、15時の回にあと10数名の席が残るのみの盛況となった。いよいよ幕が上がる時間が近づいた。

リーディング劇「牧水と恋ーうら恋しさやかに恋とならぬまに」
①11時〜(満席)②15時〜(残席わずか)
公演会場:宮崎市内:勇志国際高等学校宮崎学習センター(宮崎ナナイロ東館・旧ボンベルタ橘)

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