「牧水と時間(とき)を紡いだ百人」移設展
2022-02-05
若山牧水記念文学館→日向市駅→日向市役所そして本学附属図書館へ
牧水と時間・時代をともにした百人の肖像画たち
本学附属図書館において、明治・大正・昭和初期の文人・文化人百人の肖像画が並ぶ壮観な展示が始まった。その名も「牧水と時間を紡いだ百人展」。昨秋、牧水の生家がある日向市東郷町坪谷の若山牧水記念文学館で開催された企画展であるが反響が大きく、その後は日向市駅と日向市役所へ移設されて展示されてきた。作品を制作したのは宮崎市在住の市民の画家の方である。若山牧水賞授賞式も行われる(実際には感染拡大によって延期となった)この2月にあたり、本学附属図書館でも小規模な「牧水賞企画」は毎年為されていたが、今回はぜひこの移設展をと出品者の方にお願いし実現したわけである。いわば宮崎県内において4箇所目となるバトンを受けての展示となる。しかし、残念ながら周知のように「まん延防止」も発出されている感染拡大状況で、附属図書館そのものが学外者入館を制限している。現在は学内の学生・職員・教員しか鑑賞することができないが、3月いっぱいの開催とすることで感染が落ち着く時期も来るのではとやや延長した会期での開催とした。
この日の午前中に出品者の方が見えて展示を完了。附属図書館玄関のゲートを入り真ん前の展示ブースに、大型の牧水の肖像画と白鳥の絵が鎮座している。その背後に回ると、一面に百人の肖像画が展観されている。牧水の妻・喜志子をはじめ師匠の尾上柴舟をはじめ、友人の石川啄木・北原白秋・萩原朔太郎から与謝野晶子など、名だたる文人たちの似顔絵肖像画は見応えがある。文学のみならず多様な文化人の肖像も見えて、明治・大正期の文化レベルの高さも窺い知ることができる。附属図書館ではこの展示に併設し、読書啓発の意味で肖像画がある文人たちの本を展示する案を事務職員の方々と相談した。さらには現在進行中の学生創発企画とタイアップした企画が、3月中にできればよいと考えている。ともかく感染の波が収まれば、この地域の多くの市民の方々にもご覧いただきたい豪華な展示だ。早速、学内のある先生から「大変に感銘を受けた。画家の方と連絡がとりたい。」という趣旨のメールをいただいた。ビジュアルを起点に、ぜひ明治大正期の文学の深淵に潜り込んでいただきたい。
誰しも教科書にある作家の肖像写真が好きだった
人の顔が醸し出すとてつもない魂の展示のようで
宮崎大学附属図書館「牧水と時間を紡いだ百人展」3月31日まで開催。
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