面白く楽しい国語教育を目指す理由
2022-01-23
「面白くなきゃ」「楽しい」って何だろう
学習意欲を唆るためには不可欠な情動として
早稲田大学国語教育学会大290回冬季例会にオンラインで参加した。当初は対面及びオンラインの「ハイフレックス方式」での開催が告知されており、何とか対面(限定100名)の枠に申込み直接会場で参加したいと航空券や宿の予約もしていた。しかしこの2週間ほどの急速な感染拡大によって学会そのものがオンラインのみに開催方式が変更され、僕自身も県や大学から「移動自粛」の御触れが出されこの日のような参加を余儀なくされた。地方在住者にとってオンライン学会は大きな利と捉えていたが、なぜ今回は対面にこだわったのか?それはこの3月でご定年を迎える町田守弘先生の在職最後の学会講演であったからだ。町田先生は、ちょうど僕が現職教員として大学院博士後期課程に進学して2年後に教育学部に赴任されて来た。これも何かのご縁と既に単位取得済の科目を敢えて履修し大きな学びの機会を得た。同時期に立ち上げた同学会の研究部会「朗読の理論と実践の会」についても、例会に足をお運びいただいたり日頃から支援するお言葉をいただいた。宮崎に赴任後は国語教育学会で理事の先輩としてお導き下さり、僕が学会大会などを主催すればいつも労いのお言葉をいただいていた。
もとより町田先生は、28年間早稲田実業学校で国語教員をされていた。教頭の要職も務めていたことは、やはりこの研究学会での交流で大学院進学以前から存じ上げていた。「早実」といえば、実のところ中学校受験で僕が一番進学したかった学校であった。進学は叶わなかったが、町田先生と交流するようになって「中高時代にこんな先生に習っていたら」という後悔の念とともに、ならば「今から習えばよい」という前向きな気持ちが同居するようになった。大学院後期課程で僕が研究者の道を歩むにあたり、古典和歌を主としつつ現職教員の利を活かすために「国語教育実践」分野の論文を書き進めたのは、町田先生との交流が大きな原動力となった。その甲斐あって、現在の宮崎大学に採用される際は「国語教育(教科教育)」分野であった。町田先生同様に僕自身も現職教員を20年以上も務めていたことが、むしろ現在は教員養成学部の教員として有利に働いている。そして2年前、僕の研究室のゼミ生が大学院修士「町田研究室」を受験し合格した。とりもなおさず町田先生にとって定年前の最後の修士院生に、僕の愛弟子が自らの実力で進学してくれた。このような深い思いから、今回は何とか対面での講演に伺いたかった。航空機の予約変更をしたのは、実は数日前のことである。オンラインながら講演後に町田先生とフリートークができる時間を、学会事務局が設定してくれた。講演中にも「宮崎からご参加の先生は、地震は大丈夫でしたでしょうか」という温かいお言葉、これが町田先生のお人柄をよく表わしていた。深謝を画面に述べることができ、オンライン参加ながらありがたき時間が得られた。
標題に沿わず「町田先生との思い出」を綴った
講演内容の「面白く楽しい国語授業」僕もいつもこれを目指している
引き続き国語教育学会の会員の大先輩として交流を続けて行きたい。
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