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中高時代に体験し身につける力

2022-01-17
中学受験の経験に発する思い
部活動だからこそ得られた力
「他者とつながる力」「自己能力を開発する力」

毎年のようにこの時期になると、この国の入試のあり方に様々な思いを巡らすことになる。僕自身が都会で私立中学校受験を経験し進学塾にも通い成績を伸ばした経験もあるが、思い通りの進学先には合格しなかった。第二志望の私立中学校に入学した後も同じ進学塾に通うことになったが、1ヶ月もしないうちに通う気を失ってしまった。せっかく中学校に入学したのになぜ部活動など今しかできない経験ができないのか、と強く思い込んで塾のある日に自宅の部屋に閉じ籠った。塾の授業料を支払った母からは怒られた記憶があるが、「部活動をしたい」といえばその僕の意志を尊重してくれた。その後、僕はあまり出遅れず野球部に入部できて、今でも付き合いのある無二の親友と出逢うことができた。高校ではまた新たな挑戦で練習場所が整っていた器械体操部に入部、決して上手い部類ではなかったが6種目の総体都予選にも出場することができた。そして6年間をかけて、中学校受験で悔しい思いをした第一志望校系属の大学に見事に合格することができた。決して進学校とは呼べない中高で部活動に明け暮れ、よくまあ6年越しの「リベンジ」ができたと自分でも感心する一面がある。だが野球部というチームスポーツを経験して仲間とつながる力、器械体操という個人競技を経験して自らが上手くなるにはどうしたらよいかを考えるような力を身につけたことが、大学受験に活かされたのは間違いないと思っている。

今でも野球通として伊達に知識は誰にも負けるとは思わず、引退を表明した内村航平さんが(僕自身がでできるかどうかは別問題として)どれほど凄いことを成し遂げてきたかの奥行きまで理解し他者に説明することができる。この2種類のスポーツ経験は、僕が生きる上において「他者とつながる力」と「自己能力を開発する力」を与えてくれたのだ。もちろんこの2系統の力量が、大学時代も教員になってからも活かされたのは言うまでもない。教員として甲子園で全国一に輝く野球部のスタッフや選手らと深く付き合うことができたし、転勤先の新たな学校でもすぐに結果を出す仕事をすることができた。何より現職教員でありながら大学院修士課程から博士後期課程までを修了し学位を得られたのは、「自己能力を開発する力」においてEかF難度の技を開発し実行できたに等しいと自負している。もちろん運動のみが自己能力を高めるわけではない、芸術でも文芸でも「お勉強」以外の分野で自己を発揮できる分野での苦悶・苦闘があってこそ社会で活きる「自己」を確立できるのだ。もし僕が中学校入学以降も進学塾に通い続けていたら、今にしてゾッとする思いがある。母にはその際の塾の授業料で誠に申し訳ないことをしたが、今こうして大学教員となれたことで、決して無駄ではなかったのではと思えるようになったのである。

進学偏差値ばかりの尺度で人を決めつけない
大切な中高時代は多様な自己開発をすべき時である
今の立場では、せめて大学入試のあるべき姿に近づくよう貢献していかねば。


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