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思ったことはやってみて考えようー創発を楽しむ

2022-01-08
頭の中で考えているのみならず
試作をノートにアプリに形にしてみること
書いたものは消さず、形にしたものはやってみる

附属図書館にて「学生創発WG」を、毎月1度月初めに開催している。WG長となってもうかれこれ1年半ぐらいが経過するが、ようやく「創発」らしい対話が学生中心に行われるようになった。もとよりここまでの内容に到達するまでも、なかなか活性化せず教員だけの語り場になってしまう時期も少なからずあった。しかし「創り出す」活動というのはやはり「待つこと」が必要、学生の自発的なプログラム開発が起ち上がるまで、多くの時間を要した。その甲斐あって実に夢のある学部間コラボな構想が現在は展開している。全貌を明らかにするにはいま少し時間をいただきたいので、ここではその内容の公表は控えておく。「創発」という用語そのものがAL(人工生命)やAI(人工知能)において、鍵となる概念であると云う。『情報・知識imidas』によれば「システムの上位レベルに備わっていなかった機能が明示的な指定なしに下位レベルから発現すること。」とされている。具体例として「アリの集団の秩序だった行列は個々のアリの行動から創発される。どのアリも全体のことは感知していないが、全体としては秩序が保たれている。」というのはわかりやすい。

「素人考え」という言い方があるが、それが「全体の秩序」にとって大きな作用を及ぼすことがあるのだろう。ただ前の他の「アリ」に付いていくだけのものもいれば、よく観察すると1匹だけ違う方向へ行こうとしたりする「アリ」がいるものだ。だがもしかすると、その「1匹」の方向こそに大きな利があるかもしれない。「創発」の意味の発想に帰れば、こんなことも考える。要は多くの異分野の学生たちが集まって、新たな発見・発明を楽しむことが肝要なのだろう。この日もある学生が「試作品」を創って来た。それに対して、様々な意見が飛び交った。「試作」のフレームを取り下げようとする時に、「発想したものは作り込んでみてから見直せばよい」という助言がなされた。そう!人は新たなものを他者に提案する際に、自分の発想は駄目なのではないかと考えがちである。これは、初めて短歌を作った人の場合も同様だ。だが意外と初心者の表現というのは欲がなく自然体で短歌の場合は、素晴らしい歌であることも少なくない。「学校」というのはすぐに「×(バツ)」を付けられる場であるが、「○」か「×」かという判断だけで社会が回っているわけではない。「○」と「×」など社会の基軸が反転すればすぐに反転してしまうゆえ、全方位的な視野からまずは肯定的に捉えて試みる姿勢が求められる。学生たちのやりとりを見ていて、こんなことを考えた。

ノートに書いた言葉の欠片(かけら)
そこに羽が生じて詩性を帯びる
理系の学問だけがイノベーションを起こすわけではない。


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