桑田佳祐 LIVE TOUR 2021”BIG MOUTH, NO GUTS!!”オンライン追加公演
2022-01-04
日常が戻ることへ「ありがとう」を込めて全国ツアー完走からオンライン追加公演という形式
「夢も希望も胸の奥で燃えている」(桑田佳祐『金目鯛の煮つけ』より)
LIVEがあればほぼ毎回会場に参加していたが、今回ばかりは”まだ”厳しかった。9月にツアーがスタートし比較的地理的には近い愛媛・広島・福岡などの公演もあったが、夏の感染拡大の余波も意識するとなかなか移動も憚られた。11月なら可能性もと考えて埼玉公演に抽選エントリーをしたがハズレ、抽選時点以降になると次第に公演収容人数規制が解除され、追加抽選が為されたが静観してこの日の「オンライン追加公演」を待った。大晦日でツアーは完走し、埼玉公演で収録した映像による「オンライン公演」と「おかわり公演」となる。この1年半で「オンラインLIVE」もすっかり定着したが、今後もこうした併用方式が主流になっていくのだろう。だが見終えての感想は、やはりLIVEは「生もの」であり会場で直接に参加する意義を再確認した。もちろん会場でも感染対策から声は出せず、拍手など動作のみの参加となる。だがその空気感の中に居られることと、画面越しに家に居る自分が観るのでは大きな違いがあるということだ。「オンライン」のみの「無観客」ならばまだしも「諦め」て「開き直る」ことで専念できる。映像に写る観客のみなさんの動作を観ているだけで、羨ましさとその可能性に一度は乗った身として「待てない」思いにもなるのだ。
タブレットを自宅のTVに繋いで観ることにも、すっかり慣れた。開始2曲『それ行けベイビー!!』『君への手紙』が大好きな曲であったから、なおさら興奮は高まる。3曲目に僕の愛車である「SUBARUフォレスター」のCM曲でもある「炎の聖歌隊【Choir】」でさらに疾走!全体的に昨年発売のEPの曲を随所に織り交ぜ、2011年以降の曲目での構成が目立った。そんな中で2002年のアルバム「ROCK AND ROLL HERO」に収録された「どん底のブルース」「東京」の中盤2曲が入ったあたりがアコギや歌唱の上でも僕にとって一番の聴きどころとなった。サビで「嗚呼 人間なんて嫌だ」がくり返され、まさに「どん底」の人生を歩む人間の悲哀が語られていく。こうした「生きることが苦しい」という叫びの兆候は、2000年代初頭に既に現れていたのだろう。コロナがとどめとなるように、さらなる「どん底」の世相が目の前にある20年後。桑田佳祐が長く第一線で輝き続ける理由は、こうした予言性とさえいえる社会を見つめる眼力といってもよいだろう。20年いやそれ以上が経過しても錆びない楽曲、アンコール前の『スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)』や『悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)』といったソロデビュー初期の曲を聴いて、さらにその普遍性を確信するLIVEであった。
しかし昨年3月のブルーノートオンラインライブもよかった
贅沢にも真の「ライブ性」を求めてしまうのだろう
メンバーとの手作り感満載のソロライブとして「新しい朝」の朝食のように。
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