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『牧水研究第25号』発刊ー牧水研究会総会

2021-12-27
貴重な歌人専門の研究誌として
25冊目となる今号は「牧水短歌の愛誦性」
新たなる若い書き手・会員を求めつつ

『牧水研究第25号』が12月22日付で発行となった。僕が入会し執筆を始めたのが第20号、それ以来毎号必ず執筆しているので評論も6本目となった。年2回発行していた時期もあったようだが、年1回の発行となり昨年来は僕も「編集人」に名を連ねることになった。「牧水短歌の愛誦性」という特集で「私の牧水愛誦歌」のコーナーを設けることによって、多くの会員の方々の原稿が集められると思っていたが、実際には依頼を含めてなかなか難しい面があった。「購読をして学びたい」と思っていることと、自ら執筆するという間にやや大きな壁があることが理解できた。また昨年来のコロナ禍で、講演やシンポジウムができていないことも大きいように思う。会員の交流の場が紙上のみとなり、牧水歌について語り合う場がないことは寂しい。今後は執筆の動機付けとなるような会合の設定が、あらためて求められている。

今号の新たな試みとしては、僕の研究室の卒業論文を基にした投稿を掲載したことだ。「牧水短歌の社会性」と題した論文は、「短歌」そのものが社会の中でどのように受け入れられていくかを考える上で多くの切り口を提示する秀作である。若い世代が「短歌」そのものをどのように分析・批評していくかを交流する意味でも、大きな意義ある掲載となった。この若手の参加を機として、当人と交流がある仲間が購読したいという希望が生まれた。さらに次号には自分たちも、関連した卒論や修論を掲載してみようかという志が産まれた。今号掲載の当該論文そのものが語るように、「共感性」「対話性」の要素があるからこそ「短歌」は世代を超えて重ねられていく。そして「日記性」とされたように記録として遺る意味も大きい。「文学」としての「短歌」は決して手の届かないものではなく、個々の人々の「共感・・対話・記録」として身近に機能するかけがえのない文藝である。以上のような意味で今号への投稿をしてくれた卒業生には、心より感謝をしたいと思う。今後も大学が持つ地域貢献チャンネルも活用して、「公開講座」などでの研究・広報活動の展開も考えていきたい。また「まちなか書店」での公開合評会や語り合う会など、広く社会へ向けて発信する研究会となるべく、僕なりのアプローチを多く提案・企画していきたいと思う。

今年を振り返ることの多い日々
新たな未来へ向けてさらなる希望を見つけ出す
「牧水先生!ありがとう!牧水先生!ありがとう!」


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