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香山リカと上野千鶴子

2009-11-07
 6日(金)朝から自宅で仕事と思いきや、またゆっくりな起床。どうして身体が言うことを聞かないのだろうと、起きてしばし考える。されど考えていても答えが得られるわけではない。心の問題なのか自分を取り巻く社会の問題なのか?詰まる所、どういう視点で考えるかというだけだ。「寝坊」という快楽を、糞真面目に考えても仕方ないかとも言える。

 遅めの昼食を自宅で済ませ2時半過ぎには家を出て、夕刻からの講演会に向かう。後楽園方面から専修大学神田キャンパスへ。開場時間までしばらく時間があるので、一番近いコーヒーショップで読書。またまた上野千鶴子の本に、思わず笑ってしまう。ライブで話を聞くのがさらに楽しみになる。

 4時から講演会開始。専修大学の学部改組に伴う記念講演会ということだが、小生も一般来場、どうやら現役の学生よりはるかに一般聴衆が多数を占めているようで、平均年齢も高い。最初に香山リカから講演。「生きるのがしんどい、と言う若者について」という題で、「低い自己肯定感」と「高い自己実現欲求」が交互に現れる「境界性パーソナル障害」という病理を指摘。「All good」「All bad」の両極に瞬時に振れていく心のあり方を、明快に話した。さすがTV等で話慣れているからか、聴衆の引きつけ方もうまく規定の時間通り45分ちょうどで話を終える。続いて上野千鶴子の講演。「ネオリべ改革がもたらしたもの」という題で、90年代からの「ネオリべラリズム(新自由主義)」がもたらした、「競争原理・業績主義」が「優勝劣敗・自己決定・自己責任」を強いる社会構造をもたらした弊害を指摘した。勿論、お得意の毒舌混じりは健在であり、話の冒頭から「心理学と社会学は相性が悪い」と、企画そのもの、ましてや専修大学の新学部改組にも皮肉たっぷり。このはっきりとした物言いが何とも痛快だ。また東アジアで、「子供を一人欲しいなら女の子」という率の方が高いのが日本だという。(他の国は「男の子が欲しい」が優位)その現象は、「女の顔した息子」を醸成し、社会的成功と母・娘との両方の役割を尽くして生きなければならない女性像が増えたことを述べる。その上で、「リスクの再分配」や「連帯組織化」という社会構造の方向性を提示した。

 双方ともに、後半のシンポジウムでは上野が「自分たちは「でもしか」で大学教員になった」と言っていたが、そのように言える2人の女性論客は、なかなか切れ味が鋭い。香山の緩やかな物腰からの反論と、上野の直接的・一刀両断な反論が相互に融合して、退屈させないシンポジウムが展開した。最後の質問で、現役の大学生が「上野さんのプレゼン・・・」と発言し、会場はどよめいていたが。せめて「上野先生の御講演・・・」だろう。

 納得した時間を過ごせて今日は満足。しかし、話し方も思考方法を上には上がいる。自己の未熟さも感じて、病理的ではない「自己実現欲求」が新たに湧いてくる。その後は、神保町へ。ネットで調べておいた中華料理店を目指しつつ、東京堂書店に寄るがすぐに閉店時刻。付近の中華屋はサラリーマン風のスーツ姿の客で満席。仕方なく街を一周するように歩いて、再び九段下方面へ。裏通りにある「源来軒」という店に入る。マスターが即座に注文を聞きに来るので、「紹興酒」におすすめの「鶏の唐揚げ甘酢がけ」と「餃子」を注文。中国的な雰囲気の店内に、マスターの中国語によるオーダーが大声で響く。味もまあまあで、これまた納得の店。

 帰宅して大学の先輩からメール。自分が知りたい情報を的確に知らせてくれた。本当にこのような人間的な繋がりというものは大切だ。自分が救われる「連帯」を大切にすることは、上野が『男おひとりさま道』で述べていること。「生きづらさ」が叫ばれる社会の中で、いかに「楽しんで」生きるか。「対話」の重要性と社会構造の変革にも期待して、今日は納得の1日であった。
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