髪の縁も40年の親友
2021-11-15
数ある人の中からなぜこの人を選ぶのだろう?
説明できない味わいと相性のことなど
理容室を選ぶことは、独り立ちと相関があるように思う。幼少の頃は親に連れて行かれた店に何ら意識することもなく行く。確か名前は「メトロ」といって、幼児には意味もわからぬ名に特別感を抱いていたようにも思う。それでも為すがままではなく、ある特定の「お姉さん」でないと嫌だと主張し、鼻の下は痛いので剃らないことを約束していた。子どもながらにも、頭髪が綺麗になることは嬉しかったのであろう。同時に「お姉さん」と相性が良いことを本能的に感じていたようにも思う。その後、小学生ぐらいになるとその理容室が様変わりしたこともあってか、親の仕事のお得意さんである理容室に「移籍」することになった。中学・高校時代は部活動に明け暮れていたので、その理容室では「スポーツ刈り」にすることに専念していて、とても丁寧にやってくれるお店でもあった。
独り立ちしたのは、大学入学後だ。家から30秒ぐらいの商店街に、オシャレな理容室が新規開店した。どうやら女性もできる美容室のような雰囲気、若いスタッフ、流行りの音楽が流れている店内に大変に魅力を感じた。ちょうどその頃、流行雑誌がヘアスタイル の特集があって、モデルの写真のような髪型にしたいと日々思い込むような時期であった。親にはお得意さんのお店からそこへ「移籍」しても良いかと断って、数ヶ月後にようやくそのお店の扉を開いた。「先生」と呼ばれる人が見事な手捌きでカットをしてくれて、その後に若手の助手らしき人がシャンプーをしてくれた。なぜだかそのシャンプーの洗い方が大変に気に入って、ほぼ同年齢の彼とよく話すようになった。数回行くと、その若手の人が僕をカットするようになった。いつも日曜日の朝一番に行くと、その若手の人が必ず僕を待つように担当してくれた。あの時から、まもなく40周年になる。
相性の良さ
理容師以上の親友
僕の人生のスタイリスト。
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