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夢はみやざきで開く

2021-11-08
姪っ子が描いた夢
稀少で競争率の高い職業
夢はまた次の夢を呼んで来るもの

もう6年も前のことだろうか、宮崎を訪れた姪っ子を近所の親友の店へ食事に連れて行った。あれこれ話した後に親友が「この子は合格するね!」と太鼓判を押した。姪っ子は就職試験を受けに宮崎を訪ねてきており、一通りの試験を終わらせた後に我が家にやってきた時のことだ。就職試験といってもただの会社ではない、イルカの調教師になりたいという夢を叶えるための試験であった。姪っ子が幼少の頃、祖母祖父であるうちの両親が連れ立ってよくイルカショーをやっている品川水族館に行ったという話を聞いていた。その「子供の頃からの夢」をそのまま現実に叶えるために宮崎にやって来て入社試験を受けたという訳である。誰しも子供の頃に夢を抱くものであるが、小学校の卒業アルバムなどに記した夢を叶える人は少ないのではないだろうか。大半が中学校・高等学校で現実に擦り寄り、夢を諦めるのが一般的である。だが姪っ子は、僕が大学進学を進めても頑なに調教師になりやすいと言って専門学校を選び進学した後に、この入社試験に臨む時を迎えていたのだ。

社会経験の豊富な親友の予言は現実となった。翌春から姪っ子は当該の会社に就職し、既に5年半が経過した。だがその道はかなり険しいものがあった。入社当初はイルカの調教師部門とは程遠く、付設されたホテルの給仕や部屋の整備などの部署に配属される。夢を叶えるために入社したのに、と挫けそうな嘆きを何度も聞いたがその都度、これを乗り越えねば夢には行き着かないと励まし続けた。たぶん芸能人の付き人もプロ野球の二軍生活も調理師の見習いも、みなそれぞれに下積み時代があるはずだ。そこで挫けないかどうかという意志こそが、「命がけのプロ」になるための道である。概ね1年間の下積みに耐えて、姪っ子もイルカ調教の部署へ人事異動となった。その後も餌やりとか掃除とか、先輩トレーナーの指導を仰ぎながら更なる下積み仕事が続いた。冬の凍てつく朝にもイルカの餌となる小鯵をさばかねばならないようで、手荒れや冷えに身体を賭して向き合った。次第に専門に育てるイルカが与えられ、ようやく調教師らしい道を歩め始めた。ある時はイルカの体調が悪くなった時、水中に飛び込み救出を試みて自らが過呼吸になって危険な事態にもなったと聞いた。だがこうしたイルカへの愛情が実を結び、今や当該施設の花形トレーナーになった。1日に何回も行われるイルカショーでイルカに自らの身体を預けて、5mもジャンプするクライマックスには、親類として過去を振り返り深い感激を覚える。「夢を叶えようとする意志」という意味では、僕自身と血が繋がっているのだろうなどと自負している。

そして姪っ子は結婚で次の夢へと旅立つ
姪っ子が幼少の頃からの夢をみやざきの地で叶えた縁
「海」を知り尽くした伴侶とともに豊かな未来を見続けて欲しい。


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