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「家庭的」などという幻想

2010-12-09
8日(水)毎年この時期恒例である職場の忘年会。それなりの場所で会食の場が設定される。いつもその内容や意義につて疑問をもっていたが、どうやら昭和の昔からの流れをそのまま踏襲して、改善もされないままに行われている行事であるように感じる。テーブル着席の会食なので、多くの同僚と話せるわけでもなく、抽選で決定した座卓で周囲の人々と社交辞令的な話に終始する。

 しばらくするとビンゴが行われ、上位の商品には結構な価値の物が提供される。旅行券やグルメ券である。たいていこれらは当たるわけもないと思っており、最後に持ち帰っても捨ててしまうような商品を、参加賞的に貰うのが落ちだと決め込んでいた。しかし、この日はビンゴ穴の開きがなかなか好調で、上位から5番目ぐらいで賞品を貰う権利を得た。内容は「ブランド牛肉400g」である。1人で過ごそうと考えている年末年始に限って、意図せずこんな賞品が手元に舞い込むものである。

 そのまま何となく、今年も忘年会が終了した。会食会場も縦長で先まで見通しが悪く、誰が来ていてどんな状況であるか全体もわからないままに、2時間半ぐらいの時間が過ぎた。仕方なく気の知れた何人かの同僚と帰り際に別の酒場に寄った。

 昨今のご時世で、職場が「家庭的」であるなどというのは、幻想に過ぎないのではないかと思うことがよくある。もともと多種多様な人間の集団でありながら、ある特定の偏った人間が先導し、民主的とも思えない会議が行われ続けるならば尚更だ。『超訳 ニーチェの言葉』に「家庭的とは支配されることを言う」という趣旨の言葉があった。また「同じ考えの人間ばかりだと組織は頽廃する。異種の人間の意見が反映されてこそ、組織は活きてくる」といった趣旨の言葉もあった。まことにもって賛同できる言葉だ。

 かくして形式通りの忘年会も終わった。果たして心から楽しんでいる人は何人いるのだろうか?「忘」年どころか、そのあり方を深く考えてしまうような時間になってしまった。
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