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対面講義ですべきこと

2021-10-14
講義外学修180分
対面では「問い→個人思考→班別対話」
そこで得られた「思考対話メモ」を熟成させるべく課題を

僕が大学学部の頃、講義のあり方は今とだいぶ違っていた。私学で特徴ある姿勢を貫く大学であったせいもあるかもしれないので、同時代に全ての大学でそうであったとは考えないでもらいたい。たぶん当時も国立大学などでは、もう少し「真面目」に講義が行われていたのだろう。高校生の頃、学風が知りたくて国立大学に潜り込んだ経験からそう思う。僕の母校ではともかく「講義には出るものではない」といった風潮があった。学問は自ら学ぶものと誰からともなく教えられ、学部読書室にある本で興味ある分野をあれこれ読んでいた。講義の中には「出席を取らない」科目も少なくなく、内容や話題が面白ければ出席するが、ただ担当教授が出版した自著をダラダラ読むだけなどと見極めるとほとんど出席しないでレポートを出せば「優」などということもあった。むしろ専門的に興味深い内容の講義には、卒業単位に関係なく複数年次にわたり出席し続けたこともある。遂にはその講義の授業資料作成を担当の先生に依頼され、僕が手書きで講義資料を作成していたこともある。それはそれで誠に深い学びとなった。

1週目オンラインという全学方針が解けて、2週目から対面講義が始まり地元紙は写真入りでそれを報じた。昨日は、学部1年生ほぼ全員が履修する「国語」という科目の対面初回であった。120名超の履修者に対し収容250名の教室を配当してもらい教室の収容率は50%程度、座席は前後左右の間隔を空けて指定席にして講義後の追跡調査が可能にしておく。それでも昼休み後の講義であったため、早めに機材設定に行くと多くの学生たちが夏季休暇開けの対面再開に各所で談笑している姿が目立った。他大学の教員も指摘しているのだが、対面講義の感染対策としては講義中より講義の前後が問題だと云うのを実感する。機材も問題なく設定し講義開始、間隔を空けてはいるが教室はほぼ全面が埋まっている印象。そう!学生たちはほぼ休むことなく出席しているということだ。それを思うと、担当者としては対面に出てきた甲斐がある内容を教室で展開すべきと熱くなる。要するに「オンライン」と変わりないことは「対面」ではしないということ。教室ならではの音読の響き、学生の反応に応じ語る内容の工夫、唐突に教職大学院生のTA(ティーチングアシスタント)に「あなたならどうする?」と発問の見本を求めたり。まさに「ライブ感」とはどうすることか?を考えた進行となる。間隔を取りながらも(既に昼休みを思うと問題はないが)5人1組での班別対話を設け、そこで得られた多様な意見をメモをして持ち帰り、講義課題をさらにまとめることで思考を熟成させる。講義に「ただ来てそこに居る」だけでは済まないような仕掛けをするのである。

誠に自らの学部時代を考えると隔世の感が
オンラインでこそ上手く行くことも多いことがわかって来た今
対面講義の性質を精査すべき時が来ている。


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