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詩歌こそ心の教育に貢献する

2021-10-13
ゼミでの教育実習ふり返り
辞書で高尚な言葉を探し出して使用するが、実感のない創作
失われゆく生活実感と世代をつなぐ文化のリレー

ゼミでは3年生が9月に挑んだ基礎実習について、まずは「授業方法」に関するふり返りを行なった。「段落分け」「要約」「内容理解」「会話文の把握」「俳句批評と創作」など多様な種類の教材に自分なりに向き合ったゼミ生の努力が知られた。4年生(院生を含む)と3年生が1対1になって、1セット15分間でそのふり返りを対話していく。個々の4年生の意識が個々の授業実践に反映され、次第に問題意識が浮き彫りになってくる。小学校の場合は発達段階に応じた語彙使用と内藤理解の問題、図式的な理解のみならず豊かに言葉を捉えるためには、などの対話がなされたようだ。中学校で大きな課題として出されたのが、実感のある創作が為されていないということ。辞書で高尚そうな漢語語彙などを見栄を張るかのように選択し、自らの「心」には程遠い御託を並べたような創作作品になると云うのだ。知識はかなりあって「勉強しています」という姿勢は見せるが「心がない」創作作品が多いことに、ゼミ生たちはある種の疑問を抱いていた。

かつて魯迅が「医者は病いは治せるが、人の心を豊かにできない」と医師から文学者に転じたのは有名である。僕自身も高校生の頃、どの教科の教員になるかで「英語・社会・保健体育・国語」で迷ったあげく、「国語」を選んだのは「文学」の要素こそが「人の心のあり様」を考えられる教科であると考えたからだ。その根には、幼稚園時代の園長が「心を育てる教育」の大切さを具体的な保育の中で実践していたのを体験したからだと思う節が多い。絵本・指人形・手作り玩具・砂遊び・動物とのふれあい・楽器演奏・お絵かきなどの多様な活動によって、「人間としての物語」を体験的に知ることができた。「心」を考える際たるものが抒情性を旨とする「詩歌」ではと高校生の折に考えたわけである。選挙が近いせいかTVに出演する政治家の経歴を確認する機会が増えたのだが、名門といわれる中高から東大、はてまた海外の大学院留学などまで見栄えのよい学歴をお持ちの方が、まさに理屈と御託を並べるだけの容態を見せられると「教育とは何か?」「頭がよいとは何か?」と考えさせられてしまう。そんな背景がありつつ、僕のゼミ生たちが「心の教育」へ向かおうとする対話をしていることには、実に頼もしさを感じるのである。

大谷翔平がMLBで賞讃されるのは「人間的な豊かさ」があるから
「心を育てる」=「心育学が必要」と語っていた幼稚園園長
「やまとうたは人の心を種として」詩歌こそ「心の教育」に大きな役割を果たす。



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