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講義は学生が創るもの

2021-10-08
オンライン同時双方向
指導者が語るだけというイメージではなく
受講者が語り合って講義を創る

オンライン講義には指導する我々も学生たちも、すっかり慣れた感がある。全国の大学の個々の状況を鑑みると、現在の2学年生は入学以来「オンライン講義」ばかりを受けて来たので人間関係など様々な面が懸念されている。昨年度はそのような心配もあったが、今年度4月からは人数規模が適切である条件にも助けられ、少なくとも自らの専攻の担当学生たちは元気である。以前よりよく私大の研究仲間の先生方からは、「国立は人数も少なく担当授業も少なくてよい」と羨ましがられていたが、特にこの前者に関しては大変に適切な人数で学びを創ることができる。ちなみに「担当授業数」は、決して少ないわけではないと思うのであるが。新自由主義的に対費用効果ばかりを指標にすると、私大のような発想と比較することになるのだが、やはり教育には適切な「学生数/指導者数」が求められる。ゼミは1学年5名以内、専攻の学生は15名前後というのが僕の置かれた環境であるが、個々に対して密度が高く親身の指導をするならこの規模が適切なのは明らかであろう。

オンライン講義に関しては、前期の経験からすると比較的学生たち自身が「希望」する場合が少なくない。対面とオンラインが選べるハイブリッド型を、実践してみた結果である。また対面になっても課題提出・資料提示などは、オンライン上の教学システムをそのまま使用する。これによって大幅に印刷費用を節約することができ、課題を物理的に研究室に保管する必要もなくなった。もちろん、印刷に費やす時間もバカにならず、最近は授業準備から「印刷時間」が削られた効用がある。昨日は当該2年生の配当科目講義が二コマあったが、学生ら全員に講義テーマの前提となる内容を語ってもらった。オンラインで「学生を置き去り」にするというのは、やはり「集団一斉教授」的な発想で「指導者が上から教え込むように喋るだけ」の講義スタイルである。従前から大切な意識であったが、「講義は学び手である学生たちが創る」ということがオンラインによってより鮮明に意識されるようになった。指導者のやり方そのものが適切かどうか?をオンラインは浮き彫りにするという訳である。

適切な人数と適切な方法
言い訳なく学生らを育てるために
オンラインがある意味で単位の実質化にも大きな貢献をしてくれている。


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