教育実習言いたい放題
2021-10-06
後期初ゼミゼミ生たちの発案で3年生らの実習話
オンラインの効果よろしく語り合い
後期のゼミ設定時間は火曜日、大学では学生たちが各帰省地から宮崎に戻ったということで1週目はオンラインという取り決めで講義期間が始まった。感染状況が全国的にだいぶ収まってきた様相が見えるが、大学講義はこの1年半で習得したオンラインを利点として活用し続けることも大切ではないかと思う。例えば、やむを得ない出張などでも「オンデマンド」(講義担当者は動画や音声教材を作成しておいてWeb上に保存し、学生たちが一定期間に自分たちの要求・都合に合わせて受講できる方式)で作成・保存しておけば休講にせず補講日の設定に悩むこともない。気象状況で大学に登校できない状況でも、Webを介せばリアルタイム講義も可能だ。さらにはオンライン講義では圧倒的に事前学修や課題提出などが効率化し紙媒体を使用しなくなったので印刷費用を含めて環境にもよい。この日のゼミでは、リアルタイム双方向システムで語り合うことにしたのだが、これはこれでリアルよりも「言いたいこと」が言える効果もあったように思う。
テーマは「教育実習言いたい放題」、3年生が先月に基礎実習を附属校で終えたので自由にその内容を語り合うこととした。補助教材のこと、児童生徒が多様な意見より「正解」を求めていること、知識ばかりで見栄を張った思考より世界観を広げた想像力が大切だということなど、実に教師然とした内容の語り合いとなった。各自の発する教育実習への問題意識は、どこか各自の教師観・教育観に通ずる。学生らは、自覚している場合も無自覚な場合もある。できるだけ自分が学び手側であった際の教育経験を相対化し、自分は「授業(教育)をこのような傾向で考える」自分に気づくことが肝要である。そのためにも建前を排除した「言いたい放題」の機会は大変に有効である。小学校以来、我々は「学校で言ってはいけないこと」を常に考えるようになって、個々の考え方を内に籠めてしまいがちだ。一般的な「国語」の授業を観察すれば大半がそうだが、「本当に自分が思ったこと」を建前で塗り込めるような心性を身につけてしまう。この「学校文化」こそが日本社会の閉塞性を生み出す大きな要因ではないかと思う。せめて自分のゼミだけでも、真の自分をゼミ生たちには語ってもらいたい。
「学校」は「言いたい放題」ではない
内に籠めておいて肝心なところで暴発しないように
ゼミ生たちの「実習でのやらかしたこと」の開陳にみんなで笑える時間がいい。
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