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うたのご縁をつなぐこと

2021-10-03
非常勤時代に交流した先生
ゼミ生の偶然の訪問
つながることであらたにみえてくること

研究分野では「異分野融合」が大きな流れになっている。この30年間ほどで大学学部の再編も進んだが、新たな学士号(学部を卒業して得られる学位)の名称が次々と誕生して来た。従来の「文学」「教育」などこそが王道だという考え方もあるが、「文学」などでもようやく内部で自ら融合を進めなければ生き残れないことが悟られ始めた。こうした改革の中で喧しく方向性が示されたのが「国際」と「社会」ということだろう。Webの普及で自国の枠組の中だけでは収まらず、またいかに社会に役立つかが学問の使命として考えられるようになった。しかもどの分野においても、その内容をわかりやすく提示していかねばならない。ある意味で「文学」などは一番不利な状況に置かれることになったわけだが、社会の扉を開くように融合の道を探らなければならない必然の中にある。同時に複数資料のを対象とした「比較文学」の立場から考えることが、必然になったといってよい。

若山牧水記念文学館(日向市)に来訪者があって、そのお一方が僕が非常勤時代に交流していた書道関係の先生であったと聞いた。10年以上も前に希望をもって非常勤講師として講師室にいた時、諸々と声を掛けていただき双方の研究分野についてよく語り合った。僕は「音声表現」の教育的効果について執心し担当講義もその分野の内容であったが、先生は書道の文字一つ一つの奥行きについて熱く語ってくれた。人類史を考えれば「声」が先行して、それを記録するために「文字」が生まれた。言語四要素(他に「語彙」「文法」)のうちの基本的な二要素である。記念文学館館長の伊藤先生から、書道の先生の来訪の聞いて学問の縁は途切れないものだとあらためて思った。また記念文学館には、僕のゼミ生も偶々訪れて伊藤先生とも話ができたと教えてもらった。牧水を卒論テーマにしている学生には、以前から伊藤先生のご著書を参考文献として読むように指導していた。これまた偶然のご縁ながら、直接に伊藤先生にお話を聞ける幸運な機会を得たようだ。何事かを「研究」していると、人と人とがつながる。県内県外・国内国外を問わず、うたのご縁でつなぐことを大切にして、独自の融合研究に向かいたいと思う。

融合し創発する
それぞれの研究分野の意義が明らかになる
この世は人と出逢うためにあるものだ。


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