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テーマ詠「魚」ー宮崎大学短歌会9月例会(3)

2021-09-29
身近な命を考える
実験教材・食べ物・食べ方・観賞用・属性など
生命の根源としての魚

今月は図らずも、宮崎大学短歌会例会が1週おきに3回開催できた。これもまたオンラインによる利点であろうか、毎回の参加メンバーは決して多くはないが歌会が持てることそのものが尊い。出詠6首・参加5名・テーマ詠「魚」である。宮崎は畜産王国とも呼ばれるが、それと同等に東側がすべて海に面しているので海産物の豊かな県である。我々は「魚」に対して、どんな点を捉えて生活をしているのだろう?冒頭に記したように、実験「教材」として、食べ物として、その食べ方の問題、観賞用の飼育状況、そして魚の名前が持つパワーを感じさせ、さらには映画「MINAMATAーミナマタ」で描かれた魚の状況などを題材にした歌が並んだ。海に囲まれ、山と平野を河が結び、この国土に魚との付き合いは欠かせない。その姿勢そのものを考えることが、自然そのものとの向き合い方を考えるような歌会の内容になった。

大学短歌会の面白いところは、様々な学部学科の学生がいること。今回は特に農学部獣医学科や医学部医学科の学生たちの大学での学びの一部が開陳される歌会のコメントが興味深かった。実験用動物の保護の問題、動物の出産後の人間から見ると考え難い現実、研究倫理とは何か?というようなことまで考えさせられた。高校で進路指導される「文系」「理系」などという狭い視野の区分けを超えた学びが、短歌によって起動するような気がしている。「ことば」を捉えることとは、これほど学問横断的な話題に接することができるのかと驚いた。また「おさかな」の食べ方はテーブルマナーとしての大きなトレーニングであり、超えるべき生育段階なのだろう。さらに焼き魚には何をかけて食べるか?柑橘系の果汁の選択における議論も面白かった。我々の生命の根源は「海」にあると云う。僕らの遺伝子の祖先は、海に生まれたのだ。近現代は「便利な生活」を求める傲慢な人間の嗜好が、その海を汚染してきた。これは人間みずからが、地球上の生命を冒涜する行為だと心得るべきだろう。

短歌から派生する様々な話題
脱線・横道もまた楽しきオンラインの余裕
やはり短歌は素晴らしい!!!


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