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短歌県の綺羅星たちーみやざき短歌甲子園

2021-09-27
全国高校生みやざき短歌甲子園
オンライン開催ながら白熱の接戦が展開
そして「短歌展」開催もきらり

25日・26日の2日間にわたり、国文祭芸文祭みやざき2020の一環として「みやざき短歌甲子園」が開催された。全国には「短歌甲子園」と通称できる大会が3箇所で開催されている。石川啄木の故郷岩手県盛岡での「全国高校生短歌大会」・『万葉集』編者とされる大伴家持ゆかりの地富山県高岡での「高校生万葉短歌バトルin高岡」・そして若山牧水の故郷宮崎県日向市での「牧水短歌甲子園」の三大会の成績上位校を集めて開催される三冠統一交流戦が今回の大会である。昨年11月にプレ企画としてオンライン開催、今回はリアルに高校生が集結することが望まれたが、やはりオンライン開催を余儀なくされた。それにしても参加した高校生たちの短歌はいずれも素晴らしく白熱した接戦が展開し、審査員の歌人の方々も判定に深く悩む表情が見てとれた。審査員の講評の中では短歌の本質が語られる。「伝えたい気持ち」があり、それを「自分なりの言葉を発明し自分なりの手つき」で「相手に手渡す」、俵万智さんの評は現代版の歌論とも言えるもの。「作者の(描写対象への)接触する角度」(米川千嘉子さん)や「ポエジー」(笹公人さん)といった批評の表現そのものにも学ぶものが大きかった。

題詠は「耳」「読」「嘘」、特に形のない「嘘」を詠む場合に「物に寄せる」ことで描写が可能となり、意志を持って言葉を選ぶということの大切さがわかると云う。26日の2日目は審査員座談会が行われたが、題詠について「本音をいうための隠れ蓑」(俵万智さん)という効用が述べられたのも興味深かった。高校生たちの質問も奥深いものがあり、それに対して「情報を込めきれないのが短歌のメリットで、何を切り捨てるかが大事」(俵万智さん)という核心に迫る返答が展開した。歌を創る姿勢に対しても「(できない時は)場所を変える」(大口玲子さん)とか「自分が面白いものを作ればよい」(笹公人さん)などが語られた。散文との対比についても、「言葉を削ぎ落とすことの厳しさ」(俵万智さん)などが。まずは「創ってみること」すると人生に実に深みが増すという短歌の素晴らしさを、会場に来た宮崎県内の高校生らが共有できた機会となった。会場となったメディキット県立劇場では「短歌展」も開催されており、この日は最終日であったが、午後にようやく訪れることができた。制作に関わった方や県の担当者の方にも会えて、短歌県へ向けて多くの人々の心がそこにあることを実感できた。

短歌県の綺羅星たち
そして全国の短歌に向き合う豊かさに目覚めた若者たち
繊細に丁寧に焦らず社会を自らを見つめる、より多くの人が短歌に目覚めればこの世は平和だ。


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