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ラスト・レッスン

2010-12-06
5日(日)いつも通っているジムで、馴染みのインストラクターが「ラスト・レッスン」を行った。夏過ぎから休職、されどいくつかのレッスンを復活し担当していたが、とうとう年内で退職することになったというわけである。そのレッスンに参加すべく、日曜の朝ながら早起きして一番でジムに行こうと決意していた。何事も「ラスト」というのは感慨が深いものである。人々に教え導く立場にある者であれば、尚更であるはずだ。

 今までの感謝の気持ちを込めて、何かプレゼントを用意すべきかどうか、数日考えていたが、結局は、これまでどのような気持ちでレッスンに参加してきたかという気持ちを贈るのが、一番喜んで貰えるのではないかと思い至った。そこでジムに行く前に、メッセージをカードに記した。

 予定より10分ほど遅れてジムに到着。すると開館と同時に多くの会員の方々が押し寄せていたようで、已にスタジオ内の良い場所には、レッスンのための備品が並んでいる。「やや出遅れた」と焦りながら、だいたい通常のレッスンで、「いつも」受けている場所に、道具をねじ込んだ。その後も、参加者は増え続けて、とうとうレッスンで使用する台やバーベルが無くなってしまったようだ。日曜日の朝一番から何という盛況ぶり。このインストラクターの人柄が自ずと知られた。

 いよいよ「ラスト・レッスン」開始。冒頭から「今日は泣かないで笑顔でやります」という言葉が、むしろ参加者の胸に響いてきた。ウォーミングアップからやや感情的になってきて、こちらの方が「ジーン」と来る気持ちでレッスンが始まった。小欄では、何回かこのレッスンの内容を紹介しているが、音楽に合わせてバーベルを挙げて、全身の筋力を鍛えつつ代謝量を上げていくというもの。筋肉を鍛えることで持久力も増進し、太りづらい身体になるというものだ。

 ウォーミングアップの後は、足の筋肉を鍛えるスクワット。この段階から、多くの会員から持ち上げる際に大きな声が掛かる。通常のレッスンでも何人かは声を掛ける人がいたものだが、この日はその類の人々が多く集まっているせいか、凄まじい勢いで声が掛かった。御多分に漏れず、小生もいままでの流れで呼応する声を十分に出し切った。その声の一つ一つが筋力を鍛えると同時に、何事にも屈しない強靱な精神を養ってきたという自覚がある。

 足の次は胸を鍛えるベンチプレス。この日のレッスンで掛かる曲は、このインストラクターが選んだ、今までのベストセレクション。それぞれの曲に、「あの頃」の思い出が自ずと蘇る。曲のサビを口ずさめるものもあり、多くの会員が各自の思い出に浸りながらレッスンを受けていたようだ。その次は背中の筋肉。ここまでが身体の大きな筋肉を刺激するトレーニングだ。

 その後は、腕などの小さな筋肉へ。腕立て伏せなども入ってくるが、やはり参加者の気合いはいつもにも増して凄まじい。きつい腕立て伏せなども、腕に震えが来る状態に至っても頑張り切れる程であった。

 そうこうしているうちに60分のレッスンは終幕に近づいた。「このスポーツクラブで、皆さんと会えたのは奇跡です、幸せでした」という言葉がインストラクターから発せられる。暗くなったスタジオで腹筋系の運動からクールダウンのストレッチへと向かい、レッスンの幕が下りた。

 こうしたジムの会員も、個々に様々な人々がいる。その様々な思いを抱く人々に対して、身体を鍛えるという運動を通じて、活性化した「身体」を、大仰に言えば、活性化した「人生」を贈り届ける仕事がインストラクターである。小生もそうだが、精神的に辛く挫けそうになったとき、声を上げて筋力を鍛えることで、前向きな気持ちが蘇る。単なる健康増進のみならず、生きることを支えているとも言える職業だ。

このような気持ちで毎回のレッスンに臨んでいたということを、何とか彼女に伝えておきたくて、メッセージにはそれらしきことを記した。自分自身が同じように他人の人生を導く職業にあって、つくづくとその職業「冥利に尽きる」という気持ちを、参加者として伝えておきたかった。それはもしかすると、自分自身がいつも待っている言葉なのかもしれないから。

かくして充実し感動的な日曜日の午前中を過ごした。

午後一番は、『超訳 ニーチェの言葉』を持って馴染みのカフェへ。今度は知性を鍛えないとならない。そんな日曜の昼下がり、銀杏の色づきも美しく快晴の空が何とも気持ちよかった。
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