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地元新聞の文芸欄【短歌】ありがたさ

2021-09-21
地方新聞を毎朝読むに
身近な話題や知っている人のことが記事に
そして文芸欄のありがたさ

日本の新聞の特長を語る際に短歌人が取り立てて云うのは、「どの新聞にも文芸欄があり公募短歌・俳句が盛況である」ということだ。三大紙はもちろん、地方新聞でも選者を立てて短歌・俳句の文芸欄が必ずある。これほどに詩歌が日常生活に定着している国など、そうそう世界を探してもないだろうと云うのだ。はっきりと調べたことはないが、文芸の草の根の拡がりとして誇るべきことと考えてよいだろう。やや勝手な推測であるが、江戸時代の庶民的な文化の拡がりが世界でも目を見張る識字率の上昇を招き、草の根で文芸への関心が高まったあたりに根がありそうな気がする。いずれにしても地元紙の「文芸欄」を読んでいると、この地域の人々が何を実感し何を心に抱いたかがよくわかる。短歌という文芸による、公的な瓦版や目安箱のようにさえ思えてくる。

昨日の宮崎日日新聞文芸欄「伊藤一彦選」の【評】には驚いた。◎で選歌された歌が初句から「類さんとニシタチ巡り・・・」というもの。どうやら先日の「だれやみ文化大学」を観ての歌ではないかとされて、その後に「トークショー」について「類さんと俵万智さんと宮崎大学教授の中村佳文さんと私で、・・・」と選評の文章が綴られていた。オンラインとなったのはいささか残念な面が否めないが、伊藤一彦さんにとっても大変に楽しい機会であったことが語られている。7行ほどの選評において多くの紙幅を「吉田類トークショー」の振り返りに当てているのである。◎二首目の歌は、かつては箪笥の上にあったラジオが今ではベッドで朝まで鳴るという趣旨の歌。選評には続けて「ラジオ深夜便」で類さんが宮崎でのことを楽しく語ったことにも触れられており、当該番組の人気が高い秘訣がこの歌にあると記されている。類さんとの「トークショー」の件は開催翌日の記事にもあったが、公募短歌を交えてあらためて選者によって語られるとまさに地域の方々と吉田類さんの素晴らしさを共有したような気になってくる。これこそ地方新聞の責務であり特長であろう。何よりこうした楽しい選評を記す伊藤一彦さんの度量と地元愛の深さに感謝である。

短歌でつながる地域の人々
コンパクトで生の顔が見える社会
地方新聞が読めるありがたき生活


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