ようやく研究モードへ
2021-08-31
夏期休暇はいつからだろう?成績評価・入試相談会・講演・講習・トークショー
さあ!原稿を書こう!
大学の定期試験が終わったのが8月6日、一般の人々からは「夏休みでいいいですね」といった趣旨のお言葉をいただく。試験が終われば学生は「休み」に入るが、教員はそこからが成績評価のためにレポートを読んだり、試験の採点をすることになる。専攻科目の講義だと概ね30名以内であるが、全学部対象の基礎教育科目は概ね150名の受講者がいる。レポートを読むのも決して容易ではない。せめて自分で読んでいて興味深いテーマを出題し、受講者の創作短歌を味わいながらの時間として何とかお盆を挟んで評価を終えることになる。前期・後期の配分からすると前期に担当科目が偏っているため、僕の採点評価の山場はまさに8月なのである。その上、役職上ではオープンキャンパス・進学相談会などの担当もあった。今年は感染拡大で前者はやむなく中止、Webでの相談会では高校生らの進学相談を受けた1日もあった。後半は講演と免許状更新講習に先日のトークショー、それぞれに事前の準備を考えるとかなりの労力である。そうこうしているうちに8月も尽日を迎えた。
中高教員をやっている頃から「夏休みでいいいですね」という街の人の声に、やや反感を持っていた。部活動指導や全国大会部活動の応援、さらには進学講習などほとんど学校に行かない日はなかったからだ。それでも若い頃は、それで楽しいままに仕事をしていた。次第に二足の草鞋で大学院に在籍するようになってからは、前述した中高の仕事に加えて8月末〆切の論文執筆が仕事に加わった。これはかなりハードで、8月末になると宿題が終わらない小・中学生のように徹夜なみの日々が続いたと記憶する。それを街の人が「休みでいいですね」と揶揄するように言う口調には、耐え難いものがあった。(特に僕に向かって必ず皮肉のように言う商店街のある店主がいた)それでも僕自身も当時は「大学教員になれば夏休みに存分に研究ができるだろう」という夢を抱いていた。しかし、現実は前述したような状況で夏休みのほぼ半分が費えてしまう。かつてより煩雑な実務や業務が多くなっていると指摘される大学教員であるが、相対的にみて予算面も時間面でも日本の研究は大丈夫なのかと思うことがある。北欧などの教育先進国では、小中高をはじめとして教員に時間的精神的余裕があることは、よく指摘されることだ。授業・講義ひとつでも簡単にできるものではない。研究を深めてこそ、児童生徒学生に寄与する授業ができるのである。過去を省みれば、本当に「休みでいいですね」をそのままに享受した「教員」がいるのだろう。かつての勤務校にも、休み中海外旅行に行って9月はその土産話が「授業」という教員がいたことが思い出される。日本の研究・教育を世界で誇るものにする道は遠い。
さあ!自分の研究へ!
せめて9月を邁進しよう
3年生の学生は教育実習も始まった、決して「休み」ではないのだ。
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