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脅しでは豊かさは生まれないー教員免許状更新講習を考える

2021-08-27
「・・・しないとあなたは資格を失う」
「・・・しないとあなたは社会に公表される」
子どもの世界を見れば明らか、脅しでは豊かさは生まれない

教員免許状更新講習を今年も担当した。非常勤講師時代からになるのでもうかれこれ10年以上、年によっては2講座などを毎夏担当してきた。担当者となれば自らの免許状は更新されると聞いているが、特に手続きなどもしていない。「免許状」そのものが大切というよりは、大学教員になってからも附属小中学校で数年に1回は研究授業をさせてもらっている。もとより、豊かな授業を創るための文学研究をしている自負がある。今年の講座も「音読表現と短歌づくりワークショップ」当初は感染拡大の影響で開講できるかどうかという検討もなされたが、オンライン併用ということになり、受講者も少人数であったが開講に漕ぎ着けた。オンライン1名の参加者へ教室の影像・音声を届けるのは、機材や設備の関係からかなり苦労した。しかしオンラインでも前向きに参加してくれる受講者のために、またその受講者が教室で教える児童生徒のために、めげずにオンライン通信の改善を模索して、教室7名の参加者と豊かな短歌の講習をすることができた。「短歌県みやざき」の短歌学習を豊かにするには、こうした機会が不可欠である。まずは個々の先生方に短歌を好きになってもらう必要がある。それは実に豊かな時間である。

全国の大学でも同様に、教員免許状更新講習を担当している大学教員やそれを支える多くの職員の方々が奮闘しているはずだ。だがなぜか?この時季に「中身が十分に伴わず」などというコメントを伴い制度の廃止が公表された。2023年度からはこの制度は廃止され、研修などへ移行するということらしい。制度が施行された頃は「教育改革の目玉」だなどと喧伝され、「教師の質」を問題視し「免許状失効」を脅し文句に強引に進められた印象しかない。生年月日ごとに更新年が来るので、僕が中高教員だった勤務校では最初の2年間に「年限」が来てしまう先生などは戦々恐々として講習先を探していた記憶がある。さらには、勤務校の管理職が「失効年限が近い先生」に講習の受講を無理強いするような発言もあったように記憶する。免許状更新講習は当初、学校の管理職であれば受講する必要がなく当事者意識もなく、次年度の教員配置に困らないようにと自らの利のみで非常勤の先生などにも脅すような物言いがまかり通っていた。この状況に接した制度導入当初から、「脅しは現場で脅ししか生まない」ものだと思って来た。制度そののが「失効」という「死活問題の恐怖」を掲げたものであったゆえ、「教師の質」を豊かにするものとはなり得ない。だがしかし、やるからには受講者が即座に2学期から授業を豊かにできる内容を目指して、夏季休暇で研究に勤しむべき1日・2日を更新講習に費やし、工夫ある実践的な講習を展開してきた。報道され切り取られた一部の文言であるにしても「中身が十分に伴わず」などと言われる筋合いはまったくない。真に「教師の質」を上げるにはどうしたらよいか?僕らは確実にその手段を知っているのだ。「脅し」という方法は、子ども社会の未成熟で愚劣な行為でしかない。「病床を拡大しない病院は・・・」というのも、まったく同様な手口にしか見えない。医療現場で奮闘する人々を逆撫でして、何が感染対策なのであろうか。

僕らは宮崎の教育を豊かにする
短歌を通じて社会を真摯に見つめる
昨日の受講者の先生方が短歌の魅力を子どもたちに伝えることに期待しつつ。


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