県内公立図書館の夢を語ろう
2021-08-24
県立図書館主催の専門研修創発読書活動による対話を
研修そのものを対話的な活動で
本来は県立図書館に一堂に会して実施する予定でああったが、オンラインでの開催を余儀なくされた研修で講師を務めた。県内の公立図書館における司書や職員の方々が参加し、「読書活動」を据えた図書館づくりを考える研修会である。今の時代、図書館は蔵書・資料を揃えて利用者を受け身で待っていることは過去のものとなった。地域に根ざした活動を図書館に仕込み、その活動に参加する地域の人々が互いに出逢い、蔵書・資料を活用して新たな発見や創造をしていく場と認識した方がよい。まさに図書館は「創発」の場である。「創発」とは「要素間の局所的な作用が全体に影響を与え、その全体が個々の要素に影響を与えることによって、新たな秩序が形成される現象。」(『デジタル大辞泉』より)と辞書にある。元来は『岩波生物学辞典』に「創発的進化」が項目にあるように生物学などで使用されていた語のようである。物質や細胞の化学的・物理的変化による「新たな秩序の形成」と考えればよい。人間の思考もまだまだ「創発」する必要があるということだ。
さて、研修はまずある県内公立図書館の「読書活動実践報告」で始まった。「古い・暗い・汚い」図書館から「重厚・貴重・綺麗」な図書館への転換を目指し書架等を整備し、また地域の人々とつながりながら、自らの弱点を補強して人々が出逢える図書館づくりを目指していた。各公立図書館は施設や予算には限界がありながら、地域の人々の力を集めるということが肝心と思う。その後、僕から「読書活動の意義」について話した。「読書は体験である」という基本的な姿勢を元に、「人生を増やす」「自分を見つめ直す」など、読書活動の基本的な考え方になる内容をお伝えした。午後は宮崎大学附属図書館の学生創発活動実践についての報告を元に、「うちの図書館の夢」についてオンライン班別対話を実施した。「コロナだからこそできたこと」を自己紹介に盛り込み、結論を求めず自由奔放に質より量で他のアイディアとつながる自由な対話をすることができた。これも実情ではオンラインであるからこその効用、よって今後は県内でもオンラインでつながる企画などを展開すべきという「体験」にもなった。総じて、参加者は自らが夢を語るという体験を通して、あらためて各地域で「人々に夢を与える図書館づくり」をお土産にしたようである。
一方的でなく語り合う研修形式
「短歌県の図書館」という点も強くアピール
文学を大切にする「みやざき」に生きた血が流れ始めた。
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