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お盆と人々のつながり

2021-08-14
親戚・地域の人々・自治会の人々
亡き人は家に帰り人々を集める
初盆を体験して思うこと

新型コロナ感染拡大がお盆休みを直撃し、いつもの調子で為政者は「移動や帰省を控えよ」と喧伝する。だが昨年比の交通機関の予約状況は航空各社で3割から4割増、さすがに2年連続で帰省しないのはという思いが顕在化したのだろうか。「まんえん防止」も「緊急事態宣言」も既に「特別」なことではなく言葉の力を失ってしまったのだろう。ある程度の人が「ふるさと」への思いを叶えるための行動を、今年は採っているということか。東京生まれ東京育ちの僕としては、なかなか「帰省」をしたいという願望に対して体験的な理解はできなかった。人にとって「ふるさと」とは何か?という問いに対して、硬質な都会という環境に覆われて「望郷の念」への文学的な考えも育たなかったのかもしれない、などと考えている。

義父の初盆ということで昨日から妻の実家に来ている。穏やかで人情味のある漁港をいただく町では、親戚や隣近所をはじめとして、地域の方々や義父母に関係のある方々が次々と家に御詣りにやって来る。みなさん、マスク着用で感染対策を施し御詣りを終えると短時間で帰ってゆく。それにしても、義父が人生を営んだ街での生き方をあらためて思わせる機会である。人が生きるということは、やはり他者とのつながりであることをひしひしと感じさせる。夕暮れ時には妻とお墓に出向いて蝋燭と灯籠に火を灯す、暗くなると玄関前での迎え火、夕食を義父ともともにした思いとなり、その後は自治公民館での初盆の会合に顔を出す。もちろん盆踊りなどは中止されているが、亡き義父の名前が書かれた札とともに提灯の飾り付けによって、この地域の人の輪が義父を迎えてくれていることを知る。家はもちろん地域に迎えられ、僕には義父が楽しそうに酒を飲んでいる笑顔が浮かんだ。

義兄曰く「深夜に大きな蜘蛛が障子に」
人と人とが織り成す日本のお盆
僕にとって貴重な体験となって帰ってくる。


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