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「世の中は今日この瞬間も悲しみの声がする」今この時代

2021-08-06
「SMILE〜晴れ渡る空のように〜」桑田佳祐
五輪中継の背後に流れている奥深い意味
「次の世代に何を渡そうか?」

多くの人は、自分が生まれて育つ国を自らの意志では選べない。今この時代にこの国の住民であるのは「当然」であることなのか?「日本のメダルラッシュ」などという喧伝に酔う陰で、五輪のような機会にこそ自らの住む国の相対化を意識すべきではないかと思う。今回の五輪でもベラルーシの陸上選手が帰国を拒否しポーランドが亡命を受け入れた一件は、こんなことを強く意識させた。僕自身はこれまでの人生で幾度となく海外に足を運んだが、その都度に帰国した成田空港で「清潔・安全・安定」の素晴らしさを感じ、「この国に生きて」いることに一定の満足を覚えて来た。普段は気づかなかった道路の綺麗さや治安とともに飲食機会の安定感は、食文化の嗜好の問題を伴い「自己存在」を確かめさせた。こうして「全世界の中での日本」を意識する際に、五輪という機会はある意味で重要な「実情を知る機会」なのだと思う。「日本選手がメダルを取る」という話題のみに偏るのではなく、他国の選手の競技や交流こそを見極めていくべきではないのだろうか。

五輪の民放放送の背景にたいていは、冒頭に記した桑田佳祐さんの曲が流されている。たぶん既に曲を聞けば、多くの方が「ああ!これね!」と知名度も上がったはずだ。昨年2020年の1月24日にこの曲が民放TV全局共通ネットで発表され、その後「1年延期」が決まったことで、僕にとっては「苦しいコロナ禍でも共生し次の時代をこの地球でどう生きていくか』を自らに問いかける曲になった。大学オンライン講義への転換の渦中で、その様々な苦しみをいかに乗り越えていくか?折れそうになる心身を未来に繋げるために支えてくれる曲となったのだ。不思議とこの曲の歌詞を深く読んでみると、そんな「この時代を生きる」普遍性に満ち溢れているのである。本日の標題にした一節などは、まさに今のこの国の実情を言い得て妙な表現である。奇しくも、五輪で日本選手のメダル獲得数が史上最多となった日に、全国のコロナ感染者数も最多を更新した。最近の政府の方針を聞くに1年以上前と何ら変わらず、全国の病床の逼迫や歯止めのかからない感染拡大に無策の後手後手な感に満ち溢れている。もちろん世界の各国でも、コロナ感染の問題は収まるところを知らない。だが少なくともリーダーが明確なメッセージを発し、「何をいつまでにどうしたらよいか」が示されている先進国は少なくない。「自宅療養」の問題は、ただでさえ孤独にひしがれている人々が多くなったこの国の政治の社会観を象徴的に表している。「この瞬間も悲しみの声がする」僕が海外から帰国のたびに感じていた「安全」までもが失われ、「悲しみ」に寄り添い和して生きられる国では既になくなってしまったのか、とさえ思う今日この頃である。

「20代・30代の・・・」とよく言われる
「次の世代」の希望が見出せなくもない
「今日この瞬間」「今この時代(とき)」僕らは真摯に生きる国を考えねばなるまい。


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