冷静かつ度胸の投球ー長嶋監督とともに観ている五輪野球
2021-08-05
TOKYO2020野球競技アテネの北京の思いをいまここに
長嶋監督や元プロ野球選手らと応援する気持ちで
正直なところ、開会式に長嶋茂雄さんが聖火の走者として参加されたのには、むしろ辛い思いを抱いてしまっていた。だが報道によれば、この日の準決勝前に日本代表稲葉監督に、長嶋さんから激励の電話があったのだと知った。思い返せば2004年のアテネ五輪で日本代表野球チームを指揮するはずであった長嶋茂雄監督は、大会前の3月に病に倒れ五輪で指揮を執ることはできなかった。そこから17年間、北京五輪では星野仙一監督が指揮を執ったがメダルには手が届かず、何かと悔やまれることの多き五輪の野球競技である。奇しくもその頃に並行して開催された2006年・2009年のWBC日本代表チームは2連覇、五輪競技から野球が除外される憂き目もあり「世界一」という栄誉はMLB傘下で開催のWBCに移っていった。そしてTOKYO2020での野球競技復活、米国代表がMLBの主力選手ではないことや、韓国代表もベストな布陣とは言えない状況ではあるが、やはりここで「五輪日本代表」の「けじめ」をつけたいような野球ファンとしての思いは強い。
この日の準決勝でも、注目するのは若手投手陣である。先発の山本由伸投手は宮崎県都城高等学校出身でキャンプを宮崎で張るオリックスの選手である。立ち上がりこそ固くなり走者を背負う苦しい投球となったが、無失点で切り抜けその後も安定して「5.1イニング94球被安打5奪三振9失点2」という内容で先発の役割を十分に果たした。回転の良い4シームとスプリットに加えて「スラーブ」とでも呼べる球種の緩急で安定感ある投球を見せた。何よりその常に冷静な表情には、頼もしさが感じられる。さらに7回・8回をきっちり抑えた伊藤大海投手、直球でストライクが先行する投球には惚れ惚れとするものがあった。実は試合前から僕は、ある元プロ野球選手にメッセージをして交信しながらの観戦であったが、彼も「度胸があるのがいいね!」と伊藤投手の投球を讃えていた。彼も長嶋監督には深いご縁のある元投手、そんな意味では長嶋さんもきっとTVの前で喜んでおられるだろうと思うと、積年からの思いが込み上げて来た。現在の日本でも「若者は・・・」などと何かと言われがちであるが、野球日本代表の若き投手たちの冷静さと度胸を観るに、この社会を未来へと豊かにつなぐ責務が僕らの世代にはあることが再確認できたのである。
同年齢の元プロ野球選手との交友
あらためて野球への情熱を再燃させる
長嶋監督!あと1勝へともに闘いましょう!
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