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ひととせにひとたび恩師を偲ぶ宵(酔い)

2021-07-18
卒論指導ゼミ第一期生
それぞれにお子さんらとオンライン画面に
先生!今年も集まりました!

2008年3月25日、初の卒論指導ゼミ生8名が卒業式を迎えた。「卒論指導ゼミ」とはいっても僕は非常勤講師、本来は専任の先生と分担して数人をという話であったが、どうしてもこのメンバーは分断できないと固く思い、無理を言って1年間の「特殊演習(卒業論文を指導する時間)」を担当させてもらった。彼らが卒業年次を迎えた4月に僕の恩師でもある指導教授が入院、「2科目の代講をお願いできないか」との恩師の電話に即答で担当を承諾した。それが、3年生の演習科目とこの卒論指導である。恩師は入院3ヶ月が経過した7月18日に急逝、夏休みの「卒論指導合宿」には僕とともにこの4年生の指導に当たるつもりであった恩師は、志半ばでこの世を去った。あまりの悲しみに僕自身の研究は大いに停滞したが、4年生である学生らは「卒業」がかかっている。予定通りに夏合宿で「卒論中間発表」を実施し、秋学期以降も提出である12月末まで僕が卒論指導を行い、2月の口述試問を経て3月25日を迎えることができたわけである。

あの7月18日から14年が経過した。七夕ではないが「ひととせにひとたび」は、必ずこの「卒論指導ゼミ一期生」の同窓会が開かれる。12年目までは恩師の墓参、その後に高田馬場などでの飲み会を開いていたが、昨年からはオンライン開催。昨夜はオンラインで2度目の会となったが、遅くまでメンバーたちと良いお酒を味わった。メンバーはそれぞれに仕事でも中堅として成長し、家庭でも子育てに勤しみ、そのお子さんがたも画面でお茶目な表情を見せてくれる。ある意味で、オンライン飲み会であることの利点であるかもしれない。14年を経過して毎年思うのは、このメンバーは僕自身を大いに育ててくれることだ。卒論指導の際も、平安朝の物語・日記についてあらためてGWに夢中になって基礎文献を読み漁って指導に臨んだことが思い返される。その後も、卒業論文としてどのレベルを目指すべきか?とか、平安朝文学に留まらず多様な分野において議論を妥協しない姿勢も僕の学びになった。現在の職場で専任になって演習や卒論指導をする際の大きな礎を彼らに学んだといっても過言ではない。今年もまたオンライン画面越しに、多くを学ばせてもらった。

他に類を見ない酔えるオンライン飲み会
現在のゼミの学生らよ、君たちにはこんな先輩方がいるぞ
恩師からいただいた命のゼミ生たちである。


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