題詠「日」ー宮崎大学短歌会7月例会
2021-07-17
雷鳴とどろく中zoom歌会簡単で日常的なことばこそ難しい
「もう帰らない あの夏の日」(「想い出の渚」ザ・ワイルドワンズ)
宮崎地方は早々に梅雨明けしたのだが、ここのところ豪雨に加えて雷鳴が絶えない。大学への通学時間でもかなりの雨が降り、びしょ濡れになって登校した学生を多く見かける。徒歩では困難であると思い、僕も自家用車を使うが駐車場から移動するタイミングを見測るのが難しい。スマホの雨雲アプリによって、どうにか小止みになる時間帯を探して行動している。夜7時からzoom会議室に、会員が集まって来る。学内の事情からすると図書館などでの対面ができないことはないが、むしろzoomが便利で継続しているところもある。今後は対面回も入れることを検討しつつ、zoomを併用する形式がいいだろう。自宅で時間に制約されずに行えるのはよい。さて、今回の題詠は「日」、簡単でまさに日常的に使用することばなので、むしろ活かすのが難しい印象を受けた。すぐさま栗木京子さんの「観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)」が思い出されるが、これほど「日」を有効に活かした名歌はそう多くはないだろう。
出詠13首・参加7名、「誕生日」「日曜」「一日」「白日」「今日」「日輪」「天日」「夏の日」「昨日」「ひ」「かの日」などの使い方で歌が並んだ。自ずと時間意識を視点にした歌が多く、過去と未来を巻き込んだ素材との絡み方が読み応えとなる。また「日」の漢字は「太陽」の象形文字であり、日光への意識がある歌も特徴的であった。例えば、「夏の日」とあれば何を想起させるか?それは説明的で考え直した方がよいか?冒頭にワイルドワンズの1966年(昭和41年)のヒット曲「想い出の渚」のサビの部分を引用したが、海辺の恋の設定を「夏の日」だけで読んでいいものか?砂浜を思わせる素材との関連で、どうしても想いは「渚」に至る。あくまで個人的な趣味の領域もあるが、「夏の日」とビーチの結びつきは強く感じてしまう。我々は必然的に嫌でも「日々」を重ねて生きている。「日」とは「太陽が出てから沈むまで」つまり「お日様が見えている間」ということ。時空を彷徨いながらも、僕らは「今日」しか生きられない宿命を持つ。かけがえのない歌会の「日」が、「この日」も貴重であった。
しばらくは学期末レポート・試験等の期間へ
次回は8月上旬の開催
宮崎地方の豪雨・雷雨はいつまで続くのだろうか?
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