「みやざき大歌会」世代を超えて短歌でつながる!!!
2021-07-11
【冒頭挨拶要略】「国文祭芸文祭みやざき2020」が本学附属図書館の連携企画ができますこと、地域に貢献する宮崎大学としても意義深く誠にありがたい機会となりました。県の実行委員会の方々ご担当者の本日までの取り組みに、まずは御礼を申し上げます。先の見えない新型コロナ対応ですが、このようなイベントにも様々な対応が求められ、図書館事務長らとともに、苦心を強いられておりました。すると、ある素敵な声が聞こえてきました。
「そんなこと気にしなくてもいいですよ星もいつかは壊れますから」東直子
丁寧で柔らかなことばのなかにも、地球的な視野を開かせてくれる。私たちの国文祭芸文祭は、人類史の境目で行われていることを悟りました。詩も小説にも絵画にも素晴らしいお仕事をしている東さんから、本日はさらに多くを学びたく思います。
「色のない他人の海がひろがってわたしとわたし以外だ 世界は」田中ましろ
なかなか自分の色のわからない現代の世相で、写真と短歌をコラボする「うたらば」の活動をされている田中ましろさん。本日は宮崎の中高大学生にどんな色を見せてくれるでしょうか。
本日、ここに集まりました宮崎の私たちには、「短歌」があります。先週の国文祭芸文祭開会式でも、高校生らが短歌を朗読する声の響きに希望が見えました。明日のみやざきのために、本日はゲストのお二人とともに、短歌を通して中高大学生が世代を超えて繋がる豊かな時間を創り出したいと思います。本日は、どうぞよろしくお願いします。
【東直子×田中ましろトーク概要】
東さんは、大学で「食物栄養」を学び「演劇」していた。田中ましろさんは理系で「宇宙塵」の研究などで大学院まで進学し広告会社にコピーライターとして就職した。ともに短歌にはあまり馴染みのない大学時代。しかし、投稿短歌の存在を知って「選歌されるモチベーション」を得て、自らの歌が「活字になる」喜びから短歌の世界の素晴らしさを知った。近現代短歌は「事実」述べるべきというのが主流であったが、短歌の多くが「もうひとつの意味」を表現したものだ。そこには生身の作者を超えた「作中主体としての主人公」を設定してもよく、自由な想像力が働くものであってよい。「実人生を描くのが短歌」という域からもっと自由に短歌を楽しめばよいのではないか。「ことば選び」三十一文字で表現する、「どこを削ぎ落とすか」を考え、「どこで詩が生まれるか」を意識する。
東直子さんは、60代以上の世代と40代以下の世代をつなぐ存在、田中ましろさんはWeb投稿短歌をはじめ自由な短歌と結社短歌をつなぐ存在、このお二人が宮崎の中高大学生とともに、久しぶりにリアルな歌会ができたことはこの上ない機会であった。真の「短歌県へ向けて多様な世代がつながり、やはり短歌で「生きる」を実感できるひと時であった。
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