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物語を何度も観る理由

2021-05-25
子どもが絵本を何度も読むように
「登場人物に会いたい」「絵本の中に広がる世界に身を置きたい」
「物語の大きな効用」は「日常での気持ちの安定」

地元紙宮崎日日新聞に毎月第4月曜日連載の俵万智さん「海のあお通信」、今月はコロナ禍で家にいることが多くなり、ネット配信ドラマ「愛の不時着」に「ハマった」という話題であった。既に全16話を「5回見てもまだ飽きず」という具合だと記されている。さすがは俵さん、ただ「ハマった」だけでなく「愛の不時着ノート」なるものをネットに連載してしまったのだと云う。そして連載の後半には、実に大切なことが記されていた。それは「物語の効用」である。冒頭に箇条書きにしたように、何度も同じ物語を観る理由は「子どもが絵本を何度も読む」のに似ていると云う。確かに幼少の頃の絵本の体験を回想すると同じ物語を何度もくり返し読んで、登場する英雄の痛快な言動に「会いたい」という気持ちが強かった気がする。

ではなぜ物語を観る・読む・すると「日常での気持ちの安定」に繋がるのか?俵さんの考えを覚書として記しておくならば、「現実逃避というのとは、ちょっと違う」とあり、続けて「確かにある意味、逃げ込む場所なのだが、帰ってきた時に瞳が潤っていれば、この世も少しは輝いて見えるはず。」とされている。元来が虚構である「絵本」とか「物語(映像のドラマ・映画)」の世界に身を置くことで、自分の直面する現実が相対化される。喜怒哀楽も達成も苦難も、自分だけが味わっている訳ではないと思える。これは古典を含めた「文学」が、生活を豊かにしてくれる大きな効用である。新聞の折込に「実録昭和平成ドキュメント」のような映像DVD広告があって、巣籠もりする母にでも買ってあげようかと思ったが、どうやら「ドキュメント映像」よりも「ドラマ・映画」を観た方が効用が大きそうだと思い直した次第である。

好きな物語を観る豊かさ
映画が僕たちに与えてくれるもの
ドラマ・映画・演劇・古典芸能などジャンルを問わず豊かでありたい。


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