心に生き続けて25年
2021-05-24
高校で担任をしていた生徒18歳で命と向き合う格闘の末
同級生の心に生き続けて25年
中学校・高等学校・大学といくつもの校種で教員をしてきて、果たして何人の卒業生を送り出したことになるのだろう。その個々の生徒・学生らの人生を思うに、誠に教師とは「命と向き合う仕事」だとあらためて感じる。最近はSNSなどが進化したこともあり、一定の卒業生とはお互いに近況がわかりやすい時代になった。みんな当時の面影を残しながらも、大人として豊かな人生を送っているのを知るのは教師冥利に尽きるというものだ。そんな卒業生の中で、どうしても忘れられない一人がいる。担任をしていた高校3年次に病を発症し約1年間の闘病を経て、この世から逝った生徒のことである。本日この「5月24日」こそが、彼の旅立ちの日付である。
昨日、原稿を書いていると突然スマホに電話の着信があった。受話してみると、初任校の卒業生で亡くなった生徒の親友であった。久方ぶりに彼の墓参りに足を運び、今年で25年になるのだと告げてくれた。「先生は覚えてますか?」と彼は問うのだが、もちろん「決して忘れることなどできない」と返答した。現在、僕自身は教員養成の学部で教壇に立つにあたり、彼のことは日頃から「教員経験」として学生らに話している。そのことも告げて、彼は25年経った今も僕らの心の中で生き続けていることをお互いに確かめ合った。それにしても、「25年」という月日が経っていたことには聊か驚かされた。電話の主たる卒業生もそれ相応の年齢となる。生きているうちに人は誰と出逢うか、それこそが人生であり教師は出逢いの中で生きているのである。
成績優秀・皆勤でバレーボール部
彼の夢を今も記憶している
教師はいつでも命に向き合っている。
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