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現代短歌・南の会『梁』創刊100号記念号

2021-05-22
1978年より43年間の積み重ね
九州からの発行を特色とする
短歌への尽きせぬ愛情をここに

5月20日付、標題の『梁』という短歌雑誌が100歳を迎えた。年に2〜3回の発行で43年間の月日の積み重ね、まさに「どんなに遠い道でも、今日の一歩から始まる」を思わせる偉業である。「九州」で短歌活動を続ける人々、または「九州」にゆかりのある人々が基盤となり、超結社誌として短歌(15首連作)・評論・時評・エッセイ・書評・連載など自由な投稿を特色としている。僕自身は、今回の記念号に初めて短歌15首を掲載いただき、96号の「牧水論」とともにようやく仲間に入れていただいた駆け出しである。それにしても、この100号に掲載の「会と雑誌のあゆみ」を読むにあたり、短歌によって人と土地とが繋がり大きなうねりを創り出すものだと心を深く動かされた。編集に関わられた方々はもとより、今号の資料をおまとめいただいた先輩の皆様に、心から敬意を表したいと思う。

今号巻頭にある伊藤一彦先生の言葉に拠れば、1975年「北の会」、1976年「南の会」、1980年には「歌人集団・中の会」が発足したのだそうだ。この期から1980年代にかけての「現代短歌シンポジウムは熱気をはらみ大きな意義をもった。」とある。結社のみにこだわらない自由な熱気と拮抗が、「現代短歌」を前に前に押し出してきた雰囲気だったのであろう。その後、「北の会」「中の会」は「消滅」してしまい、「南の会」のみが100号という未踏峰に登り続けていることになる。伊藤先生の言葉はこう続く、「長く続くだけで価値があるわけではない。会員各自にとっていかなる意義と価値があるのか、問い続けることが大切である。」と。研究者としても親しくしていただいている島内景二先生も、今号に「私にとっての九州」を寄稿している。その文章にある「近代を突き抜けた空の碧さ」を僕自身も見られるように「九州で歌と」関わり続けていきたいものである。

牧水の聲がして白秋の息が聞こえてくる
執筆者総数270名、毎号の編集後記の記録的な掲載など、
資料としてもかけがえのない100号である。


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