何処より来たりて何処へと往く
2021-05-16
人間の生の不思議を考えるに何処より来たりて何処へと往く
この「今」を積み重ねての一生
世は無常、誰しもが例外なく明日はどうなるともわからぬ命。果たして自らの生きているうちの意識ではわからない世界で、何処より来たりて何処へと往くのかと思う。こうしている「今」、これから「このように生きよう」と思っても、その「未来」が保証されているわけではない。ゆえに「生きよう」と思うならば、「今」を逃さずに己に嘘をつかず行動すべきなのである。少なくとも「今」は己を裏切らないだろう。いや、「今」が逃げないように生きるのである。
これまで高等学校の古典の授業で幾度となく『徒然草』を扱った。その中に「賀茂の競べ馬」の一場面に取材した段がある。多くの群衆が「競べ馬」の行事見たさにひしめき合う中で、一人の法師が樹上に登り高みの見物を決め込んでいた。しばらくするとその法師は樹上にもかかわらず居眠りを始める。今にも落ちそうになっては目を覚まし、群衆たちの注目は「競べ馬」どころかこの法師に注がれ多く人々の失笑を買ったと云う。しかし、そこで「我々も全てが樹上の法師のような命なのだ」と諭す人が現れる。極端な行動にこそ命の危険が露呈するが、誰しもが同じように儚い命の持ち主なのだと、その人は群衆を悟らせたという段の内容だ。
「今」をどう生きようとしているか?
小さな「今」を重ねるしかない人生に
あらゆる人が永遠の旅人なのである。
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