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五感の連動・命の感触ー大人のための超短歌入門

2021-05-09
穂村弘さんの巧妙なトーク
レモンと梅干しの写真の話題から
「命の感触」を詠むのが名歌となる

国文祭・芸文祭2020みやざきは昨年開催が1年延期となり、本年7月3日の開幕を目指している。そのフォーカスプログラム「若山牧水・短歌」のプレイベントとして、「大人のための超短歌入門」が開催された。消毒・検温はもちろん参加者数の制限と座席周辺の空間などの対策が十分に取られての開催となった。宮大短歌会からも何名かが参加し、この日は穂村弘さんのトークから多くを学ぶことができた。トーク冒頭ではPCR検査を受けた際の話題、検査場の壁には「レモンと梅干しの写真」が貼ってあるらしい。唾液を潤沢に出すためだというが、「レモンはともかく果たして諸外国には何が貼ってあるのか?」という日常の観察眼が枕となった。

テーマは「家族の歌」と「匂いの歌」それぞれに楽しい「実話?」とともに豊かな短歌へのヒントが山積みであった。家族にはその構成員にしかわからない慣習がある。カレーの具材・カルビスの濃度・ヒルを用いた健康法・砂糖入り麦茶、さらには父子のパンツ共有が発覚し婚約を破棄した例などの話題を交え、18首の「家族」の短歌に対してのツボが語られた。また「匂いの歌」16首では、初心者はまず「視覚」から歌を詠み出し次第に他の五感へ移行もするが、これがなかなか難しい。その複数の「五感の連動」が一首の中に詠まれるようになると短歌は豊かになると云う。「カエルの匂い」「硫黄の匂い」「蛇の匂い」探せばユニークで「命の感触」の短歌があるものだと、その選歌にも誠に感心した。

白秋の「君かへす・・・」の五感の連動性
終了後はトイレで穂村さんに偶然にお会いしてご挨拶
やはり「匂い」のご縁であった同世代の歌人に多くを学ぶことができた。


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