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夢の甲子園ー野球と短歌と

2021-03-21
「手にしたる選抜旗の青ひるがえし野球部の声響く春、天」
(選抜高等学校野球大会中継・出場校紹介に提示された短歌より)
僕の目指した甲子園

日本で野球を志した者なら、誰しも一度は「甲子園」を夢見たことだろう。少年野球をやっている頃は自分の力量など度外視で、「甲子園→プロ野球」などと強く志を持つ。それこそがまさに「夢」なのであり、日本の野球はこの憧れで成り立っているといっても過言ではない。選抜高等学校野球大会が開幕して観客や応援の制限はありながら、「甲子園」で試合ができていることに安堵を覚える。1年前の「中止」は誠に心痛が深かった。その今年の「選抜」に、地元・宮崎商業高等学校が出場し1回戦を闘った。序盤2点を失った後に1アウト・ランナー1・3塁という好機があったが得点できず、その後1点は返すものの更なる点を許し結果は7対1で甲子園を後にすることになった。惜しまれる点は多々あるだろうが、まずはあの「甲子園」で闘えたことを大きく讃えたい。

宮崎県は公立高校と私立高校の野球のレベルが均衡しており、ある意味で健全な「高校野球」が存在する稀少な地域といえるかもしれない。市内の県立高校で進学にも力を入れているところが「甲子園出場経験」もあり、広島・巨人でプレーしコーチとしても定評がありながら夭逝した木村拓也さんも県立宮崎南高等学校の出身である。僕自身の初任校が東京の「私立強豪校」であったので、公立とは違い様々な面で「野球」に力を入れられることは痛いほど知っている。前述した「甲子園→プロ野球」という夢の図式が、皮肉にも高等学校に「プロ野球選手養成」を躍起にさせてしまう要素がある。この世情に反するという意味で、宮崎の高等学校野球のあり方には注目したいと思っている。さて、宮崎商業高校には懇意にする先生もおり、当校は短歌甲子園の常連実力校である。昨日の中継の「学校紹介」で文芸部の生徒さんの冒頭の短歌が紹介されたのはよかった。嘗て教員として部長にでもなって甲子園のベンチに入ることを夢見た僕は、今や「短歌甲子園」の高校生らの熱い歌に夢中になっている。何の因果かこの健全な宮崎で双方の「甲子園」を見守ることが、真に僕のやりたかった「夢」だったのかもしれない。

宮崎商業高等学校の健闘を讃え夏への奮起を期待する
そして夏にはまた「短歌甲子園」の熱い闘いもある
希望ある高校生を育てるために世界を視野に「甲子園」を考えたい。


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