酒場の上質は普遍なりー吉田類さん酒場放浪記1000回記念
2021-02-23
吉田類さん「酒場放浪記」1000回記念酒場では大声をあげたり怒ったりしてはならない
「酔ひそぞろ天には冬の月無言」(吉田類さんの俳句から)
「酒場放浪記」で吉田類さんが訪ねる酒場が、2003年の放送以来で1000回に到達した。この日はスペシャル版が放映され、東京下町森下の酒場の原点たる「山利喜」さんが紹介された。森下といえば深川と隣り合わせ、かの芭蕉翁も庵を結んでいた俳句ゆかりの土地である。類さんは「酒場詩人」とも称し、嘗ては俳句の会なども主催していたようだが、酒と短詩系との繋がりは厚い。大晦日スペシャルで若山牧水の足跡を辿ったのも、「酒」と「旅」というキーワードでの繋がりであった。実は数日来、別件で俵万智さんと連絡をとっていたが、前日に1000回記念にリモート出演すると教えてくれた。相互の酒の歌三首・三句の対話はなかなか面白かった。俵さんの「(類さんの)一人の背中」に焦点を当てた短歌も冴えていた。
まだ2014年頃であったか、MRT宮崎放送の企画で吉田類さん・俵万智さん・伊藤一彦さんの鼎談が実現し、市内の会場で生ライブを聞くことができた。実は、僕は東京でも常連として懇意にするワインバーが類さんの御用達で、東京堂という神保町の書店でトークイベントがあった後に、ともにグラスを傾けた経験がある。実に良い方で真実に酒が強く愛している印象であった。この日の放映でも語られたが、酒場では大声を出したり怒ったりしてはいけないなどと、神保町の名店酒場「兵六」の掟にあった。したがってコロナ禍で制約を受けても、「私は(騒ぐのを制約されて)苦痛ではない」と類さんは語っていた。酒場とは「酒を愛する」場である。世の酒好きの多くが慕う類さんのお言葉、コロナならずとも酒場には庶民の「上質」があることを再確認したいものだ。
8月には国文祭・芸文祭で宮崎にも
若山牧水の短歌が吉田類により新たな読み方も
「酒はしづかに飲むべかりけれ」
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