転倒と落下なきように見直そう
2021-02-16
震度6強のちからの凄まじさ過去の経験と仲間の苦闘を教訓に
家具転倒と落下物がないか点検しよう
昨日の小欄にも記したが、今回の東北地方を襲った地震で研究仲間の苦闘を思うと言葉に表現できないほどにその辛さを痛感した。僕たちの仕事は書籍と向き合うことにあり、身近に多くを所蔵しておく必要がある。その数は学術雑誌などを含めて、日々増えているわけである。10年前の東日本大震災の折に、東京のマンション12階で震度5強を被災した僕は、聊かを実家に残しつつほぼすべての蔵書をスライド書棚などを駆使して所蔵していた。スライド書棚は棚を横に滑らせることで壁面積の3倍ほどの所蔵が可能な優れものとして買い揃え重宝していた。しかし残念なことに長周期震動と云われる長い揺れには脆弱で、スライド部分から次第に本体から外れてしまい雪崩のように転倒を繰り返したのであろう。幸い自宅にいなかった僕は、その大切な書棚の倒壊に身体を張らずに済んだことになる。
大型辞書などもある書棚の破壊力は凄まじいものがある。両側に書棚がある場所にあるプリンターなどの機械類を尽く破壊させてしまった。書棚の扉にガラスがあるものは飛散し、まさに足の踏場がない惨状であった。これは何も僕の書斎のみではあるまい。当時、母校の研究棟に行くと、多くの先生方の研究室が「シェーカーで振られたよう」と比喩され、業者の方々の補助がなかれば復旧できない状態であったと記憶する。特にビル建物の6階以上で、その揺れによる被害が大きいこともわかった。さらには僕の書斎の経験からすると、揺れの方向(海溝型地震の場合、大抵が海から山方向に揺れる)に対して書棚や食器棚がどのように置いてあるかも重要である。そんなことを考えて、現在の僕の研究室を検証すると、書棚の上などに危険が少なくないのに気づいた。もちろん転倒防止器具も装着しており、施設管理の検査も受けているのではあるが。やるべきことはまずは紙資料のデーター化ではないだろうか。この春休みの大きな宿題をもらった気がしている。
PC機材に物が落下せぬよう
自宅の蔵書は書棚専用の部屋のみ
日向灘に震源がある宮崎では決して他人事ではない。
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