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ラジオドラマ再興のとき

2020-12-17
原案:桑田佳祐(作詞・作曲)
歌:坂本冬美
「仏陀のように私は死んだ」

第三波に見舞われている社会情勢下で、あらためて「遠隔講義」の重要性にも様々な検証が行われているところだ。Web配信の講義を模索する中で僕自身が新たに見出したことといえば、小欄にも度々記してきた「ラジオドラマ」である。「話す 聴く」という行為を一定の方向で固定はするものの、課題設定(ラジオでいえば聴取者投稿)を上手く取り込むことで受講者と対話的な関係を結ぶことができる。「聲」のみの配信は、決して「自らが語る顔」を露わにした動画に劣らないと自負できる。もとより授業での「非言語表現」がどの程度まで必要であったのか、という問題意識も高まった。

折しも現在、冒頭に記したように桑田佳祐さん原案、坂本冬美さんの歌う「仏陀のように私は死んだ」という楽曲を元にしたラジドドラマが4夜連続でニッポン放送(毎夜22:30〜22:45)にて放送されている。楽曲が描く世界観をドラマ仕立てに脚本化し、俳優のキャストを配して聲と効果音で綴るものである。楽曲の歌詞というのはある意味で点描であり、深く味わうには個々の自由な拡大解釈と想像力を要する。坂本冬美さんの持つ「情念の女」を歌い上げる歌唱力と、それを現代的な世相観の上に引き出す桑田さんの才能が相まって「ひどい男にも惚れ抜いてしまう恋心」が豊かに表現されている。舞台設定となった街並みを想像しながら、現代に生きる女の恋を痛烈に毎晩聴き取っている。「楽曲」と「ラジオドラマ」という関係を、「短歌」と「ラジドドラマ」という関係で行う僕自身の今年の試みの相似形が、誠に興味深いのである。


「聲」のみで描く物語
自ら創作することの学び
「君の名は」から連なる「ラジオドラマ」の文化に


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