題詠「文」ー宮崎大学短歌会11月例会
2020-11-21
オンラインでじっくり歌は多く参加者は絞られながら
題詠「文」が導くもの
月2回実施する宮崎大学短歌会例会が開催された。題詠「文」に出詠13首、参加者は6名と歌の半分ほどであったが、初参加の1年生も加わり密度の濃い歌会となった。題詠の扱いとしては、「文字(2)」「恋文」「文理選択」「文旦(2)」「作文」「一文」「文化(2)」「文庫」「文(ふみ)」「文末」という活かし方であった。「文字」や「文化」の重複は予想されたが、「文旦」の重複は意外性があって学生間でも話題となっていた。「朱欒(ざぼん)」「晩白柚(ばんぺいゆ)」などの異名もあり、九州地方(特に「晩白柚」は熊本県)特有な柑橘類として巨大な威容に驚くこともある代物である。正月などになると縁起物として飾られることもあり、その大きさと月のような姿が目を惹きつける。
「文」という文字には、地図上の「学校」が示すように「学問」の意味もあり、また名前によく使用される「彩(あや)」の意味もある。「文様」といえば意匠ある芸術的なもので、まさに「文化」の一部として崇高な意味がある文字である。「作文」や「文庫」など学校や読書に関係する素材として詠まれたのも必然であるが、あらためて「文」とは何かを深く考えさせられる。「学校」という「文化」は、ある意味で「文字」や「文」を教える場所といっても過言ではあるまい。僕自身も「文」の文字との付き合いは長いが、漢字として大元の中国では女性名に使用されることが多い。日本でも「あや」といった女性名の使用も少なくない。柔らかで知的な印象のある「文」、学校文化の中でもさらに好かれる存在になるべきだと思うのだが、「作文」や「文理選択」などには、個人的に批判を述べたくなるのは職業上の性かもしれない。
新聞記者の方の取材参加も
若者が描く三十一文字(みそひともじ)
あらためて「文」が好きになった。
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