「青か?赤か?」否、すべてを引き受ける
2020-11-06
「肯定も否定もできない」「ポジティブかネガティブか」
二項対立のどちらかにしか行けない危うさ
開票が続く米国大統領選も大詰めを迎えているようではあるが・・・問題はこの選挙の「結果」ではなく、その先の米国社会が「分断」から「共生」の社会へと生まれ変わることである。選挙戦そのものが相手側の誹謗中傷にまみれた感があるが、まずは選挙中に大きな暴力的な対立がなくて幸いだった。しかし問題はこれからで、双方の支持者が共に幸せな生活ができる「民主主義」と「自由」の象徴たる米国を取り戻す必要がある。そのためにも「青か?赤か?」の二者択一ではなく、すべてが引き受けられる社会を創らなければなるまい。「勝ちか負けか」その先にあるフェアな精神、それがスポーツ大国でもある米国の目指すべき道であり、世界平和のための先導者となるべきであろう。
二大政党制であるゆえ、「青か?赤か?」の選択が迫られるのは制度上仕方のないことだ。だが実際の社会では二項対立で色分けされることそのものが、「差別」の根源になるのは自明である。最近、学生と接する際に二項対立思考でしか物事を考えない傾向があり危うさを痛感している。講義で和歌短歌や物語を読む際も、「これはネガティブなもので」と線引きをした上で解釈や批評をする。先行研究で引用した論文を「肯定か否定か」で捉えようとする。和歌短歌に表現された人心は「寂しくもあり、嬉しくもある」というように、揺れ幅があって解釈が多様にできてこそ名歌たる所以となる。「○か✖️か」は大学入試の影響も大きいように思うが、人生の選択において両極にしか振れない思考は誠に危ういのではないだろうか。昨今の社会状況を見るに「普通の人だったのに」という人が凶行か自傷に至るケースの根本を見るようで、大変に心配な現象と考えている。
二者択一でない「和」を学べるのが文学
「勝ち負け」の先に見える僅かな希望
「勝敗」とは何か?など様々なことを考えさせられる。
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